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絶妙アシストのF東京MF米本「チームが上位にいることが大事」

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[4.4 J1第1ステージ第4節 F東京1-0甲府 味の素]

 ハリル・ジャパン入りへ、強烈アピール! そんな印象を受けるプレーだった。前半15分、自陣でボールを持ったFC東京のMF米本拓司ヴァンフォーレ甲府の最終ラインの裏へ、絶妙なロングボールを送った。そこに走り込んだMF石川直宏がボールを受けて、華麗にゴールネットを揺らした。

 ボール奪取力では誰もが認める力を持つ米本だが、その奪ったボールのコントロールが課題とされてきた。ハリル・ジャパンの予備登録メンバーに名を連ねていた米本が、そんな声に反論するようなプレーだった。

 試合後、米本は「1週間、相手が引いて守ってくるということで準備をしてきました。『スペースがない中でも、背後を狙っていこう』とは、みんなで言っていましたし、取られた後の切り替え、カウンターをさせないことを1週間準備してきたので、それが出せた試合だったと思います」と、納得の表情を見せた。

 石川の1年4か月ぶりとなるリーグ戦ゴールについては、「カウンターの応酬というか、行ったり来たりの展開で、相手の最終ラインもバラバラになっていたと思います。そうしたら前を向いたら、ナオさんがすごく良い動き出しをしてくれたので。良いトラップをして、決めてくれたので良かったです」と話し、自身のアシストについても「1週間準備したことだったので。奪った後は、相手のDFラインも整っていないですし、長年、ナオさんと一緒にやってきているので、ナオさんが動き出すのは自分の中でもイメージがあったし、そういう動きをしてくれたので、ちょうど良いところにボールを出せて良かったです」と、白い歯をこぼした。

 バヒド・ハリルホジッチ監督は、速い攻撃を強調している。このプレーは代表にも通じるものがあるのではないか。そう問われた米本は「本当の代表は、入っていないので分かりませんけど」と前置きしつつ、「自分が良いプレーをすることと、チームが上位にいることで注目されると思うので。代表に入るということをあまり意識せず、個人的にはチームが上位にいることが大事だと思う。優勝を目指していますし、ファーストステージが終わった時点で一番上に立っていれば、自ずと(代表に)名前もあがってくるとおもうので、そういうところを目指したい」と、F東京でのプレーに集中している様子だった。

(取材・文 河合拓)

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