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喜び一瞬…それでも福岡にショックなし「J1に上がって笑い話になれば」

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[11.23 J2第42節 岐阜1-4福岡 長良川]

 アビスパ福岡がJ1自動昇格権を勝ち取るためには、同勝ち点で並ぶ磐田を勝敗で上回る、もしくは得失点差5をひっくり返す必要があった。そして試合最終盤、一つの情報が舞い込んできた。磐田が後半45分に同点に追いつかれたのだ。「よっしゃ」。記者席の周りの関係者席からも歓声が上がる。「1-1、1-1」。ベンチ裏で見守っていた控えの選手たちもジェスチャーを交えて、ベンチにいる監督、コーチ、そしてピッチにいる選手たちに分かるように伝えた。

 しかしそのわずか1分後だった。磐田が後半アディショナルタイム1分にMF小林祐希のゴールで再び勝ち越しに成功。今度は「落ち着け、落ち着け」とのジェスチャーでその事実が伝えられる。そしてそのままお互いの試合が終了。4-1で快勝した福岡に、吉報が舞い込むことはなかった。

 ただ、福岡にはそれほどショックはない。DF中村北斗は「行けたらラッキーという気持ちだった。途中、1-1になったので、みんなそこの期待はありましたけど」と一笑する。そして、「それも自分たちがJ1に上がって、笑い話になればいい」と話した。

 井原正巳監督も「プレーオフ2試合はチャンスを貰ったと思っている。またいい準備をしたい」と前向きに捕えている。「(J1自動昇格という)目標が達成できなかったことは残念。だが、(プレーオフは)強い気持ちで臨まないと、順位が下のチームは本当に開き直った戦いをしてくる。そういう意味では過去何年間のプレーオフのケースもありますから、その二の舞は避けたい」と気合十分に続けた。

 福岡は1試合1試合がプレッシャーのかかる終盤戦の戦いの中で、8連勝を記録。不敗記録は今春に記録したクラブ記録を上回る12を記録し、リーグ戦を終えることが出来た。今季キャプテンとしてチームを引っ張り、全試合に出場したMF城後寿は「今季は3連敗と最悪のスタートだったが、監督のやりたいことが浸透し始めてから、徐々にいい戦いができるようになった。最後の方なんかは監督がやろうとしていたことプラスアルファのことを選手がやろうとしてきた。そのことがこの結果に繋がった。これを続けていけば結果は掴みとれると思う」と力強く話した。 

(取材・文 児玉幸洋)
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