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“神ってる”と指揮官も脱帽、横浜FCの守護神・南が二度のPKストップ

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[9.18 J2第32節 横浜FC2-0京都 ニッパツ]

 まさに“神って”いた。横浜FCのGK南雄太は京都戦で二度あったPKをいずれもストップ。昇格プレーオフ圏内浮上を目指すなか、絶対に落とせない一戦で、2発完勝を自ら手繰り寄せた。

 試合後、横浜FCの中田仁司監督は「南雄太が“神ってる”ねと。今流行りのものは出てくるんだなと。私自身も長くサッカー界にいますが、初めて(二度のPKストップを)経験しました」とコメント。プロ野球で広島東洋カープが25年ぶりにリーグ優勝したことで旬となっている言葉、“神ってる”を用いて、守護神の活躍を称えた。

 この日の一戦。6位の京都を相手にするなかで、南は「GKがいいプレーをするといいゲームになると、試合が締まると思っていましたし。京都さんの攻撃陣はいい選手も多いので仕事の多い試合になるとは覚悟していました」と言う。

 チームはFWイバの2得点でリードするなか、後半27分に最初のPKを献上。南の出番がやってきた。PKキッカーを務めたのは途中出場のFWキロス。ゴール左下へ蹴りこんだシュートは南が横っ飛びで止めた。

「迷ったときはあまりPKは取れないんですけど、あの時はスパっとある程度決まったのと、タイミングがぴったりだったので」。一目散に駆け寄ってきたチームメイトと喜んだ。

 そして後半40分、京都はまたもPKを献上。1試合で二度目のPK。横浜FCの守護神は「またかよ!」と思ったという。それでも「2本目だし、入れられても仕方がない。止めたらラッキーだな」と気負いすぎることなく、ゴールマウスに立った。

 FWエスクデロ競飛王のシュートはゴール左下へ。南は読み通りに難なく弾いてみせた。「2本目はスカウティング通りです。思い切ってできました」と淡々と振り返る。

 2点を先取するも、二度もPKを献上した横浜FC。仮にPKを2本とも決められていたら、引き分けあるいは大きく流れが変わっての敗戦となっていた可能性もある。この日の試合で2得点を挙げたイバは「言うことないです。彼が今日の試合を救ってくれたので。非常にリスペクトしている。それしかない」と言い、守護神に感謝しきりだった。

 36歳の守護神だが、1試合に二度もPKを止めるのは「ないです」と言うように、初めての経験。指揮官から“神ってる”と表されたものの「あまり浮かれずに気を引き締めて、次にいきたいです」と冷静に先を見据えていた。

(取材・文 片岡涼)

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