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「自分の意思ではなく勝手に…」劇的V弾の植田、歓喜の輪の中心に

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後半アディショナルタイムの決勝点にベンチ前で喜びを爆発させるDF植田直通

[9.23 J1第27節 鹿島2-1G大阪 カシマ]

 体は自然と自陣ベンチへ向かっていた。1-1で迎えた後半アディショナルタイム2分、鹿島アントラーズはMF永木亮太の右CKをDF植田直通がヘディングで叩きつけ、劇的な決勝点。タッチライン方向へ走り出した植田をチームメイトが追いかけ、ベンチを飛び出した控え選手たちも含めて歓喜の輪が広がった。

「総力戦だと思っているし、全員で戦っている。勝利は全員で喜びたいと思って、自分の意思ではなく、勝手に(ベンチへ)行っていた」

 勝利への執念が劇的ゴールを呼び込んだ。「こういう試合はセットプレーが大きく左右する。最後は絶対に自分が決めてやろうという強い気持ちを持っていた。それが通じてボールが来たと思う」。3月18日の清水戦(3-2)以来、約半年ぶりとなる今季2ゴール目。J1通算3ゴール目が貴重な決勝点となった。

 センターバックで植田とコンビを組むDF昌子源も「泣いているという噂もあったけど」と、冗談交じりに喜んだ。「普段、セットプレーの練習では上に飛ばしているのに、今日はしっかり下に叩いた」。2歳年下の“相棒”を称え、「最後のセットプレーはスタジアムが揺れていた。ナオ(植田)が決めたけど、あれはサポーターのゴールだった」と、最後まで後押ししてくれたファンに感謝した。

 前節の新潟戦(4-2)も前半に2失点しながら後半に4ゴールを奪い、逆転勝ちした。2試合連続の逆転勝利に植田は「先制されて逆転するパターンが多くて、それもいいけど、ディフェンスとしては失点ゼロで勝ちたいし、先制されるとゲームプランが難しくなる」と指摘。今季2度目の5連勝で2位以下に勝ち点8差を付けて首位を快走しているが、「一つも落とせないと思っているし、まだまだ混戦になる。油断したら足元をすくわれる」と、表情は終始、険しいままだった。

(取材・文 西山紘平)

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