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オリヴェイラ体制の2戦目の浦和、21年間無敗の“お得意様”湘南と激突

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 J1リーグは28日と29日に第11節の9試合が開催。埼玉スタジアム2002では浦和レッズ湘南ベルマーレが対戦する。オズワルド・オリヴェイラ新体制で臨んだ前節、黒星スタートとなった浦和が、4試合ぶりの勝利を収めた湘南をホームに迎える。

■ホームで新体制初白星を挙げたい浦和
 浦和は25日に行われた第10節で、柏レイソルに0-1で敗れた。オリヴェイラ監督初陣となった一戦は、大槻毅(現ヘッドコーチ)体制ラストゲームとなった前々節の北海道コンサドーレ札幌戦から1名のみの変更にとどまり、「ワールドカップ中断までは、今のやり方に継続性を持たせる」という言葉の通り、大幅なシステムの変更を行わなかった。

 最終ラインは札幌戦に続いて3バックを用い、阿部勇樹に代わってマウリシオが先発復帰。前線は武藤雄樹とかつての教え子、興梠慎三が2トップを組んだ。前半は、中盤に入った遠藤航や長澤和輝が積極的にゴールへの姿勢を見せたが、先制点を奪えず。

 後半に入ると、ホームの柏に押し込まれる展開が続き、72分に左からのクロスから中川寛斗に先制点を献上。その後の猛攻も実らず、無得点でタイムアップの笛を聞いた。

 オリヴェイラ監督は試合後、「サイドチェンジを多用したサイド攻撃を展開しようとした」とこの試合の狙いどころを明かした。「前半に形ができたところはある」と一定の評価を下しつつも、「それを相手に止められてしまった」とノーゴールに終わったゲームを悔やんだ。

 短いスパンで監督が交代したことは「影響が多い」と語るオリヴェイラ監督。しかしながら「修正する時間はあまりない。スタメンを含めたトレーニングができたのは試合前日。変えるには時間が必要」とし、まずは「継続性を維持しながら、(独自の色を)少しずつ加えていきたい」と今後の戦い方について言及していた。

 槙野智章は、これから「良くなるイメージしかない」と新体制に期待を込め、「勝てば体力的にもメンタル的にも余裕が出てくる。次はホームなのでそこに向けていい形で持っていければ」と前向きに語っている。興梠慎三は、かつて鹿島時代に指導を受けたオリヴェイラとの再会。指揮官については「気持ちが入る。みんなを奮い立たせるのも(うまい)」と称賛している。

 今節の湘南戦でも、大幅なシステム変更は行わない見通しだ。リーグ2試合で勝利を奪えていないが、湘南相手には現在リーグで17試合負けなし(16勝1分)。最後に敗れたのは1997年と、実に21年間敗れていない相手だ。

 昨季まで3シーズン湘南で過ごした山田直輝が浦和に復帰したほか、遠藤航や菊池大介、武富孝介も古巣との対戦となる。“お得意様”の湘南を倒し、3試合ぶりの勝利を飾れるのか。名将・オリヴェイラ監督の緻密な采配がカギとなりそうだ。

■湘南の梅崎が埼スタに戻ってくる
 湘南は前節、ホームでガンバ大阪と対戦。チョウ・キジェ監督はこの試合で3-4-2-1の基本布陣から、3-5-2に変更。アレン・ステバノヴィッチとイ・ジョンヒョプが2トップを組んだ。この変化により、前線で起点となるイ・ジョンヒョプと突破力を持つステバノヴィッチが効果的な攻撃を展開。前線に2名を置いたことで前からのプレスが強まり、前への意識が強くなる。すると16分、高橋諒のクロスのこぼれ球を菊地俊介が左足一閃。早々と1点をリードした。

 その後も前からのプレスがハマり、後半のG大阪の猛攻を跳ね除け、カウンターで追加点を奪う姿勢を崩さず。追加点こそ奪えなかったが、しっかりと試合を締めて4試合ぶりの白星を手にした。

 ルヴァンカップを含めた連戦続きで、守備の要であるアンドレ・バイアや大野和成はG大阪戦に出場しなかった。さらに、昨季まで10シーズン過ごした浦和を離れ、湘南へ活躍の場を移した梅崎司もG大阪戦では87分からの出場だったため、疲労の面では問題ないだろう。過去リーグ17試合で1勝も挙げられていない湘南が、埼スタでミラクルを起こすべく、万全の態勢で試合に臨む見込みだ。

「浦和で10年間プレーし、良いことも辛く苦しいことも、いろんな経験をしてきた。そんな想いも全部ひっくるめて今年から新しい気持ちで挑戦するために湘南ベルマーレにやってきた」と語っていた梅崎。

 10年過ごした埼スタで梅崎がどんなプレーを見せてくれるのか。そのプレーの一つひとつに注目が集まる。
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