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大学で2度の昇格経験…甲府内定の立正大DF中塩「オンとオフを」、浦和ユース恩師・大槻監督との思い出も

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甲府内定の記者会見を行った立正大DF中塩大貴(4年=浦和ユース)

 来季のヴァンフォーレ甲府内定を手にした立正大DF中塩大貴(4年=浦和ユース)。入学時は東京都1部リーグに所属していた立正大だが、中塩が在籍する4年間で2度昇格を果たし、今季は大学最高峰の舞台・関東1部リーグに初挑戦している。

 関東リーグに所属している大学を目指してテストを受けた中塩だったが、当時のレベルでは「通用するわけもなく」(中塩)。その思いは叶わず、声を掛け続けてくれた立正大への進学を決意する。入学したときは都リーグ1部。当初は気落ちしていて「おれらが4年のときに関東1部でプレーできたらマジで夢だよな」と冗談交じりに話していたという。

 しかし中塩の入学年度に立正大は都リーグを2位で終えると、そのまま関東大学サッカー大会昇格決定戦も制し、11年ぶりの関東大学リーグ参入が決定。翌年の関東2部では8位。そして昨季は2位の好成績を収め、チーム初の関東1部昇格を達成した。

 4年間で2度の昇格という貴重な経験を積んだ中塩。「自分が入った年で関東2部に上がってすごく良い流れで来たなって思っています」と当時を振り返る。「ピッチ内はみんな頑張っていたけど、自分が入った当初はピッチ外のところの整備ができていなかった部分もあって。そういうところを学年が上がるにつれてやっていって、特に岡村大八くん(現ザスパクサツ群馬)を始めとする去年の4年生がすごく良いチーム作りをしてくれた。それをもとに自分もやればうまくいくのかなって」。先輩の意志を継いだ中塩は今季キャプテンを務め、立正大は初の関東1部で現在3位(第7節終了時点)に位置している。

「ピッチ内の巧さは昔と比べてもそんなに変わらない。ピッチ外が整備されたことでチーム力が上がって、関東で戦えるチームになってきていると思います。どこの世界に行っても、オンとオフを大事にしていかなきゃいけないと思いますね」

 自身の線の細さを気にしており、「Jリーグに引っかかれば本当に幸せだなって思っていたので、まさかJ2の甲府さんからお話をいただくとは」とプロ入りにも謙虚な姿勢。その謙虚さは浦和ユース時代の恩師である大槻毅氏(現浦和監督)への報告にも出てしまう。「すごく硬くいったんですよ。内定いたしました。ありがとうございますって。そしたら『なんだおまえそのしゃべり方気持ち悪りいな』って言われてしまって。すんませんって(笑)」

 浦和ユース所属時の高校3年生のときにはJユースカップ初制覇に貢献。試合に出させてもらえない時期もあったものの、かつての指揮官を「選手のことを第一に考えているので、すごく自分にとっては良い指導者です」と思い返す。当時は悔しさもあったが「今まで挫折っていうのがなくて。大槻さんがいたから今の自分がある」と逆境を跳ね除ける強さになっていた。今後はプロの舞台でプレーすることで、大槻監督に恩を返していくつもりだ。

「期待してもらっていると感じていたけど、あんまり期待に沿うことができなかった。プロに決まって多少ですけど良い報告ができたので良かったなって思います。これからですけど」

(取材・文 石川祐介)
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