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「後ろは見ない」「まだ勝ち点1差」“天王山”制した鹿島、慢心ゼロで4冠制覇へ

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鹿島アントラーズの喜びは試合終了時まで

[9.14 J1第26節 鹿島2-0FC東京 カシマ]

 長らく独走状態にあったFC東京との天王山を制し、ついに勝ち点差1に迫った鹿島アントラーズ。それでも選手たちの中に安堵はないようだ。繰り返されたのは「まだまだ」という言葉。ルヴァン杯、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)も勝ち残っており、前人未到の4冠制覇に向けて歩みを止めるつもりはない。

 第14節終了時点での勝ち点差は『9』。もっとも差が開いていた時期を振り返れば、残り8試合での現状は理想的というほかない。この日も開始直後にセットプレーからDFブエノが今季初ゴールを沈めると、後半の苦しい時間帯に唯一の全試合出場を続けているFWセルジーニョが追加点。盤石の闘いぶりで首位チームを破った。

 それでも「タイトルを獲らなければ何も評価をされない」(MF三竿健斗)のが鹿島というクラブ。試合後、選手たちの中に「やっと」「ようやく」という達成感めいた空気感は欠片もなく、「まだまだ」「これから」という前がかりな機運ばかりが漂っていた。

 MF土居聖真は「後ろは見ない。勝ち点1差と言えば並んでいるようなものかもしれないけど、まだ下なので上を目指して」と強調。そのうえで「今までは結果も内容も二つともだったけど、今日はこれが手始めというか、これを機にこういう戦い方をしていくんだということを示せた」と勝利を出発点に位置付けた。

 また三竿も「最後に1位にいないと強いチームとは言えないので、まだいまの段階では言えない」ときっぱり。「いまのチームの一体感はすごくいいものがあるので、みんなの一体感をどんどん大きくして、最後に笑って終われるように」と先を見据える。

 大一番でことごとくビッグプレーを見せているGKクォン・スンテは「まだ勝ち点1差あるし、これからも試合が続いていくので、首位を目指して戦っていくだけ」。セルジーニョは「まだ終わっていないし、われわれが唯一4大会でタイトルを取れる立場にいるので、それを達成できれば嬉しい終わり方」と野望をたぎらせた。

(取材・文 竹内達也)
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