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中央大FW野口竜彦は2度の大怪我から奮起…岡山で新たなストーリーを

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中央大FW野口竜彦はファジアーノ岡山へ

 中央大FW野口竜彦(4年=前橋育英高)は2度の大怪我を乗り越え、来季ファジアーノ岡山に加入する。内定がリリースされたのは11月29日。今月3日の会見には滑り込みで参加した。

 岡山から声が掛かったのは3年次の夏だが、同年9月に左足の前十字靭帯を損傷。さらに治る間近だった今年6月には左の外側半月板を損傷した。2年次にはリーグ戦15試合に出場して6ゴールを挙げた野口。しかし今季のリーグ戦出場はゼロに終わり、全日本大学選手権(インカレ)も出場は難しい。

 3年次にすでに試合を観てもらっており、またそれまでの練習参加の評価により岡山加入に至ったというものの、2度の大怪我は野口を不安にさせた。「最初はめちゃくちゃ落ち込んだんです。やろうと思ってもずっと寝てしまっていて」と資本である身体の不調は、メンタルを少しずつ蝕んでいった。

 しかし、野口はサッカーができない時間でサッカーに関わることを増やしていく。学生コーチを買って出て、さらに「ベンチにいるだけは嫌」とミーティングに参加してプレゼンなども行った。「しんどいけど、少しずつ怖いくらい向上心が湧いてきました。サッカー選手として上を目指す行為自体が好きなんだと思います」。分析チームとしても活動し、マネージメントでチームに貢献した。

「1年生の頃から関東1部でめちゃくちゃやりたかったんですけど」と最終学年で到達した晴れ舞台への悔しさも垣間見せる。しかし「サッカーの知識とか色々学べたので、外から見えた景色を中につなげられるかな」と心の整理はついている。

 出身は前橋育英高。高校2年時の2014年度高校選手権では、決勝戦でゴールを決めて準優勝を経験した。「高校はやっぱり勝つことをとても自分の中で大事にしていた」が、大学では適応力や努力の仕方が身に着いたという。

 自身の持ち味は「左足でのクロスやシュート、パスといったキック」。しかし「まずはうまく復帰することが前提。試合に出られないとサッカー選手はダメ」と気を引き締める。「復帰してJリーグで公式戦で出られたら、面白い自分のストーリーができあがるかなと」。悔しさを発奮の原動力に変えて、思い描いた自分のドラマを来季から実現させていく。

(取材・文 石川祐介)
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