[9.30 J1リーグ第29節 浦和 0-1 FC東京 埼玉]

　前回、白星を挙げたのは03年。7月12日のJ1リーグ・1stシリーズ第12節で1-0の完封勝利を収めた。その後は、埼玉スタジアムで開催される浦和戦で勝利を手にすることはできなかったが、20年9月30日、鬼門を突破することになった。

　序盤こそ浦和にボールを保持されて自陣に押し込まれる時間帯が続いたが、高い集中力を保った守備で決定機を簡単には創出させず。すると、前半37分にFW永井謙佑のゴールで先制に成功。後半に入って追加点こそ生まれなかったものの、浦和の反撃も許さずに1-0の勝利を収めた。

　昨季の対戦時には、あと一歩まで追い詰めていた。19年3月30日、J1リーグ第5節。前半をスコアレスで折り返すと、後半30分にFWディエゴ・オリヴェイラの得点で先制。1-0のまま時計の針は90分を回り、残る時間はアディショナルタイムのみとなった。しかし、4分と示されたアディショナルタイムが3分を経過したとき、DF森脇良太(現京都)に同点ゴールを叩き込まれて勝利を逃していた。

　1年前の試合で交代枠2枚を残していた長谷川健太監督は、「同じ轍を踏まない。しっかり交代枠を使い、時間を使った」とこの日はハーフタイム、後半23分、同30分、同43分と交代回数をすべて使って選手を入れ替え、勝利を手繰り寄せた。

　今年7月18日に行われた第5節では2-0の完封勝利を収め、味の素スタジアムでの対浦和戦、16年ぶりとなる白星を獲得していた。“天敵”相手にシーズンダブルを達成し、「ホーム、アウェーで勝てたことは非常に幸せ」と喜びを噛み締めた。

(取材・文　折戸岳彦)

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