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東海大高輪台高の後輩が明かす、松本FW横山歩夢の高校時代と“ハンパない”一面

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松本山雅FCの快足FW横山歩夢東海大高輪台高時代(左)からそのスピードは注目を集めていた

 ゲキサカではプロ入り1、2年目選手の高校時代を知る後輩たち(現役高校生プレーヤー)に対して、プロでの活躍が期待されている先輩プレーヤーの高校時代についてインタビュー。彼らのピッチ内、ピッチ外で“ハンパなかった”一面や意外な一面とは?

 今回ピックアップする選手は今季、東海大高輪台高(東京)から松本山雅FCへ加入したFW横山歩夢だ。早生まれの超高速アタッカーは、2年時に国体東京都選抜で名を上げ、選手権東京都予選で準優勝。圧倒的なスピードを活かしたドリブルと抜け出し、また左右両足からのパンチ力十分のシュート、クロスを武器にプロ1年目のJ2開幕戦から出場するなどプロの舞台でも特長を発揮している。

 最近こそ出場機会に恵まれていないものの、J2では7試合の先発を含めて15試合に出場するなど楽しみな存在。その横山の高校時代について、後輩で現主将のDF谷地田拓未(3年)と大型DF加藤佑太郎(3年)が教えてくれた。

―横山選手のハンパないところについて教えて下さい。
谷地田「自分がやることはやる。やり切るところはしっかりとやってくれる。その代わり、人がやっていない部分は『絶対やれよ』と要求してきていました。凄くガツンと言ってくれる存在でした」
加藤「歩夢は速さが一番怖いところ。速さに加えて左足もシュート打てるんで、(守る際)どっち切っていても仕掛けられて最終的にはフィニッシュまで行かれてしまうというのがDFにとって一番怖かったです。あと、私生活のところではめっちゃ優しくて面白いですけれど、試合に入るとスイッチ入って、目の色変わって、高い要求だったり、味方に強い言葉を掛けるというのもありました。スイッチを切り替えられるというところが、やっぱり凄さかなと思っています」

―加藤君は自主練でかなり1対1をやったと。
加藤「冬に入ったくらいから結構自主練でやっていたんですけれども、止められるのは本当に何回かに1回で、大体シュートに行かれちゃうとか、ゴールにならなくても自分が触ってCKになっちゃうとか。そういう仕掛けの部分が一番イヤだったので、速さのある選手に対してどういう対応をするのか、結構考えましたね」

―谷地田君もDFなので練習で対峙してきたかと。
谷地田「自分、全然対応できなくて、気づいたらそこからいなくなって、みたいな。ステップが速くて、ボディフェイントでくっついちゃったら逆に行かれるとか、対応が難しかったですね」

―中学、高校通してあのような選手はいた?
谷地田「いないです。レベルが違うなみたいな。(一方で)要求高いんで、そこにパス来ないとすぐに言ってくるので、絶対にそこに出すことを意識していました」

―ピッチ外は?
谷地田「僕はそこまで仲良くはなかったんですけれども、基本ふざけている。ずっと笑いながら、みんなと話していました。(話は)面白いです。(笑いは)ちょっとズレていたかもしれないです」

―後輩には優しかった?
谷地田「優しかったです。この間来てくれた時も飲み物を奢ってくれたり」

―陰で努力する姿を見た?
谷地田「自主練はずっと加藤と1対1をやっていました。自分は気づかなかったけれど、多分見えない場所で色々やっていたんだと思います。この間来てくれた時はプロの厳しさについて話してくれて、自分たちももっと頑張らなければと思いました」

―彼の姿勢や姿から得たものはある?
加藤「今までやってきた選手の中で一番速くて、そういう選手とやれたというのは自分としてもディフェンスの対応とかレベルアップしたと思いますし、それで歩夢がプロに行く前に自主練とか付き合ってくれて、新チームが始まってからは本当に速さのある選手への対応とか自信がついていました。歩夢に負けなかったら自分の世代では絶対に負けないと思っていたので。(現在)自分はそんな全部が全部勝てている訳ではないです。でも、歩夢とやれて、守備の対応や最後足出すタイミングとか、自分から獲りに行くディフェンスとかも掴めたので、DFに必要な能力がレベルアップしたのは、歩夢との自主練があったからかなと思います」

―特に接する期間が長かった加藤君だからこそ、知っていることもありそう。
加藤「アドバイスがあまり……。(1対1の自主練の際は)1個上のコーチもいて、歩夢も喋りやすい感じで自主練していたんですけれども、自分は結構抜かれるんで、そのコーチが歩夢に『何かアドバイスとかないの?』って聞いたら『距離近いの嫌だな』と。距離近いのが嫌なのは分かるんですけれども、もうちょいアドバイス何かないのかなと。アドバイスは超ざっくりでしたね(苦笑)」

―横山選手は1年目からJ2で試合に出て奮闘している。彼が活躍することで影響を受けていることはある?
谷地田「自分たちとは足の速さとか全然違うし、一番上手かったんですけれども、歩夢ができるならば、自分たちももうちょい頑張って努力していけばと、自分たちもと希望が見えて来ました」
加藤「裏の動き出しが高校の時と比べて全然違う動き出しをしているし、高校年代ではそこに出てこないだろうというパスもプロだと出てくるので、自分のストロングポイントを生かして1年目から出場機会を得ている。それを見ると、ウィークポイントがあってもダメなんですけれども、ストロングポイントを大事にしてあのレベルにできれば、Jでも通用したりするというのは一番近くでやっていて感じました。歩夢のおかげでプロになるという夢が現実的になったし、歩夢の頑張りというかストロングポイントを出せるというのは凄いなと思いました」

―横山選手は2年時に選手権予選で準優勝して、昨年は期待の中で初戦敗退。今年の選手権はその思いも背負っての戦いになる。
谷地田「選手権はリーグ戦なんかと全然違う戦いになると思うんですけれども、今までの僕たちでは絶対に勝てていけないと思うので、練習の部分からもっと引き締めて、声掛けだったり質の部分を上げていきたい。先輩たちよりもまだレベルが低いし、選手権で通用しないと思う。選手権に向けて全員で引き締めてやって、先輩たちの思いも込めて戦って、しっかり決勝でリベンジできるようにしたい。(個人としては、)自分は最近出れていないので、自分のウィークポイントを消しつつ、ストロングポイントの距離詰めた時にガツンとボールを取って、チームにとって必要な存在になれるように選手権へ向けてやっていきたい」
加藤「関東も、インハイも結果が出ていない。もっともっと自分がメンタル的にも、フィジカル的にも色々な面で強くなったり、戦術眼とか、本当にあと残り1か月なんですけれども、もっと突き詰めてやらないと。チームを勝たせられなかったら、これまでやってきた意味がない。(監督の)川島先生とか他のコーチ陣の期待に応えないといけないし、2年前の決勝で負けたり、1年前は初戦で負けていて、自分たちはその悔しさを晴らさないといけない代。DFラインとGKが3年生なので、そこで3年生がチームを支える存在じゃなきゃいけない。本当に自分が中心になってDFラインを引き締めて、選手権で掲げている無失点を続ければ、(得点できなくても)PK戦とかに持ち込めるので、後ろがチームを支えられるようにこの1か月でしていきたい」

―最後に、横山選手へのエールを。
谷地田「今出れていないと思うんですけれども、絶対に活躍して欲しい。結果を残してもらって、僕たちも負けないように結果を残したいです」
加藤「歩夢はメンタルもバケモン。ミスしても全然ブレないので、それが大事かなと思います。心配しなくても全然、やってくれると思います」

(取材・文 吉田太郎)
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