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J1王者・横浜FMが“6度目の正直”で初のスーパー杯制覇! エウベル先制からJ2甲府に同点許すも…西村が勝ち越しゴール

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横浜F・マリノスがスーパー杯を初制覇

[2.11 FUJIFILM SUPER CUP 2023 横浜FM 2-1 甲府 国立]

 2023シーズンの幕開けを告げるFUJIFILM SUPER CUP 2023が11日、国立競技場で開催された。J1王者・横浜F・マリノスと天皇杯王者・ヴァンフォーレ甲府の対戦は、横浜FMが2-1で勝利。6度目のスーパー杯にして待望の初制覇を成し遂げ、今シーズン最初のタイトルを手にした。

 昨シーズンに3年ぶりのJ1王者となった横浜FMは、FW仲川輝人(→FC東京)、DF岩田智輝(→セルティック)といったMVP受賞者や、海外移籍交渉で離脱した守護神GK高丘陽平などの選手を欠いたものの、そのほか主力組は健在。4-2-1-3の布陣を敷き、GKはオビ・パウエル・オビンナが入った。4バックは左からDF上島拓巳(←柏)、DF畠中槙之輔、DF角田涼太朗、DF永戸勝也。ボランチはMF渡辺皓太とMF喜田拓也。トップ下にMF西村拓真が入り、前線3枚は左からFWエウベル、FWアンデルソン・ロペス、FW水沼宏太となった。

 J2勢ながら天皇杯で初優勝を成し遂げ、今シーズンはACLにも挑戦する甲府。新指揮官に篠田善之監督を招き、新布陣4-2-3-1では大卒ルーキーのDF三浦颯太(←日本体育大)、FW水野颯太(←桐蔭横浜大)を抜擢した。GKは河田晃兵、4バックは左から三浦、DFエドゥアルド・マンシャ、DF山本英臣、新キャプテンDF須貝英大を起用。ボランチはMF松本凪生とMF佐藤和弘(←松本)で、2列目は左から水野、MF長谷川元希、MF鳥海芳樹を配置。1トップはFWピーター・ウタカ(←京都)が入った。[スタメン&布陣はコチラ]

 甲府は左サイドのルーキーコンビ、三浦と水野が果敢に攻める。前半2分には三浦が左サイドからカットイン。ゴールの位置を確認すると右足ミドルを放ち、相手ゴールを脅かした。一方、横浜FMは左サイドからエウベルと永戸のコンビで攻め立てるも、甲府の須貝、松本らの固い守備に阻まれる。

 横浜FMは前半12分、水沼が動きながらスペースを作り、PA右に浮き球パスを通す。反応した西村が落とし、最後は渡辺がダイレクトボレー。しかし枠を捉えずゴール上に外れた。同17分にはA・ロペスがPA内で強引にシュートを放つが、コースを狙え切れずにゴール右に逸れていった。

 横浜FMは負傷者が出た右SBに新加入の上島を起用。序盤はなかなか順応を見せなかったが、前半30分に大きな成果を残す。鋭い縦パスで西村に通すと、空いた中盤から水沼、A・ロペスと細かいパスワークがスタート。PA左に流れたボールを最後はエウベルが決め切り、横浜FMが今シーズンのファーストゴールを沈めた。

 だが、昨シーズンの天皇杯で数々のJ1クラブをなぎ倒した甲府も意地を見せる。前半44分、E・マンシャの縦パスは長谷川に当たりつつ、ボールは右サイドへ。追いついた鳥海がPA中央に折り返すと、最後はウタカがゴールに流し込んだ。

 しかし、副審はすぐさまフラッグを上げてオフサイドの判定。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)により、長谷川に当たった瞬間にウタカと鳥海がオフサイドポジションで関与していたかどうかのチェックが行われた。その後、荒木友輔主審は自らモニターで映像を確認。その結果オフサイドポジションのウタカに関与は認められず、鳥海はオンサイドポジション。甲府の同点ゴールが認められた。

 前半を1-1で折り返すと、後半序盤は横浜FMが圧の強いプレスで甲府を苦しめる。甲府は後半14分、水野を下げてFWジェトゥリオを投入。流れを変えたかったが、その直後に失点を喫してしまう。

 横浜FMが後半16分に勝ち越しゴールを挙げる。中盤まで上がった角田が最前線に縦パスを通す。PA左からA・ロペスがシュートを放つが、GK河田に当たったボールはゴール左ポストを直撃。しかし、こぼれたところを西村が冷静に押し込み、2-1と再びリードを奪った。

 さらに攻勢を強めたい横浜FMは、後半22分に交代カードを2枚切る。水沼と西村を下げ、FWヤン・マテウスとMFマルコス・ジュニオールを投入。甲府も同26分に鳥海に代え、FW三平和司を出場させてムードを変えていく。だが、横浜FMは渡辺を中心とした攻守の動きから、Y・マテウスが独特なリズムで攻め立てる。28分のループシュートは惜しくもGK河田のスーパーセーブにはじかれた。

 甲府は後半36分に佐藤を下げ、新加入MF武富孝介を入れる。横浜FMも同39分に喜田に代え、MF藤田譲瑠チマが出場した。

 地力の差を見せつけた横浜FMが、そのまま逃げ切って2-1で試合終了。過去5度の挑戦ですべて敗れていたスーパー杯のタイトルを初めて勝ち取り、来週開幕するJ1リーグの連覇に弾みをつけた。

(取材・文 石川祐介)
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