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“包囲網”でも魅せた清水MF乾貴士、思い出の国立には苦笑い「面影がなさすぎて…」「暑すぎる」

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清水エスパルスMF乾貴士

[7.16 J2第26節 清水 2-2 千葉 国立]

 厳重に敷かれた“包囲網”の中でも違いを見せたが、チームの勝ち点3には届かなかった。試合後、清水エスパルスMF乾貴士は「勝ち切らないといけない試合だった」と悔しそうに振り返った。

 ジェフユナイテッド千葉の小林慶行監督が試合後に「スカウティングを進める中で、彼のチームだし、彼を抑えるところは優先順位の一番に置いた」と明かしたように、この日の千葉は乾を徹底的に監視。時にはボランチのMFホナウド、SBのDF北爪健吾を完全にフリーにしてまで乾にマークをつけていた。

 それでも乾は「警戒はされると思ってやっているのでそこは仕方ない。逆にそれで僕以外の選手が点を取ってくれたらそれでいい。チームが勝つことが一番。自分を警戒するということは他が空いてくるので、自分がプレーできなくてもいい」という意識で、チャンスシーンのもう一つ前の局面からパスワークに関与。狭いスペースの中でもいとも簡単に前を向き、前半15分の先制の場面でも左サイドで縦パスのスイッチを入れてゴールの起点となった。

 また2-1と逆転された後半21分にはMF岸本武流へのサイドチェンジから同点ゴールを演出。「サイドチェンジは一つ有効な手段なのでそこは使いながらみんなで意識してやっているけど、今日はそれが少なかった。あの場面はそれができたところもあるし、崩しもよかった。クロスに入ってきたところも良かった」と全体のプレーに悔いは残ったようだが、厳重な警戒の中でも随所に魅せるプレーを続けていた。

 しかし、この日は乾が“おとり役”を担った後のチームメートの決定力に課題が残った。試合後、乾は「勝てる試合だったと思う。相手も必死に走ってくるチームだったので難しい試合ではあったけど、勝ち切らないといけない試合だった。あれだけ決定機があって外しているとこうなる」と悔やんだ。

 なお、この試合が行われた国立競技場は、乾が野洲高2年時に全国高校選手権を制した思い出の地。しかし、改修後の変わり果てた姿に感慨はそれほどなかったという。

「ちょっと雰囲気が変わりすぎていて、昔の面影がなさすぎてちょっとわからない。全然違いますね」。苦笑い気味に振り返った乾は「初めてだったけどすごく(雰囲気は)良かったと思う」と述べつつも、「ただ暑すぎる。風も入らないし、このなかでサッカーをやるものじゃないというのが正直な感想です」と夏場の大箱の過酷さを強調していた。

(取材・文 竹内達也)
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