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「サイドは難しい年齢になってきた」トップ下起用で新境地のMF乾貴士、今季初ゴールは“J初”ヘッド弾!!

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先制ゴールを喜ぶ清水エスパルスMF乾貴士

[4.22 J2第11節 大宮 0-3 清水 NACK]

 元日本代表アタッカーの今季初ゴールは「ドイツではあったけど、日本では初めてじゃないですか」という貴重な一撃となった。清水エスパルスMF乾貴士は0-0で迎えた前半20分、自身のサイドチェンジを受けたDF岸本武流のハイクロスに飛び込み、うまくDFの前にもぐり込みながらヘディングシュート。過去に例のない頭でのフィニッシュながらも完璧なインパクトでニアポスト脇を撃ち抜き、今季初の連勝につながる先制点をもたらした。

 相手DFとの駆け引きも冷静だった。乾のマークについていたのは山梨学院大在学中でこの日がJリーグデビュー戦となった大宮DF関口凱心。「相手も来ているのが気づいていなかったか、俺だから油断したのかわからないけど、しっかりディフェンスできていない感じだったので、先に触ればどうにかなるかなと思って飛び込んだ」(乾)。シュートの出来には「とりあえず突っ込んだだけ」と謙遜したが、ストライカー顔負けの精度も光った。

 昨季途中にC大阪から加入し、今季が開幕から迎える最初のシーズン。ゼ・リカルド前監督のもとでは出番に恵まれなかったが、秋葉忠宏監督の就任初陣となった第8節東京V戦(○2-1)で今季初先発を任されると、ここまで3試合の出場で新体制3勝1分と好調を取り戻したチームを支えている。それもポジションはおなじみのサイドハーフではなく4-2-3-1のトップ下。「楽しくやれている」と34歳での新境地に充実感をのぞかせる。

 エイバル時代にも3バックシステムのトップ下でプレーしていた試合はあったが、本格的にコンバートされたのは初めて。「年齢も年齢だし、サイドをやるには難しい年齢になってきた。真ん中ならキレとかそういうのじゃなく勝負できるので、そこで今は自分がどれだけ成長できるか、その中でうまくやれるかを求めてやっている」(乾)。この日は「スカウティングでも狙っていた」というニアゾーンの攻略や、1〜2点目に繋がったサイドチェンジの判断など、トップ下仕様の役割も随所に表現できていた。

 それでも「もっと上手くならないといけないと思うし、新しいポジションで自分自身が成長できるように考えている」と満足はしていないという乾。自身の今季初ゴールにも「たかが1点なのでまだまだここから」と気を引き締めた元日本代表MFは「まだまだ2連勝しかしていないので、ここからまだまだ勝っていきたい」とさらなる連勝を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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