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東京Vキャプテン森田晃樹が1G1A…“J1に上げた男”まであと一試合「最後に勝って終わりたい」

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MF森田晃樹(中央)

[11.26 J1昇格PO準決勝 東京V 2-1 千葉 味スタ]

 シーズン前から公言していた“J1に上げた男”となるか。東京ヴェルディは16年ぶりのJ1昇格に向け、12月2日のJ1昇格プレーオフ決勝に臨む。キャプテンMF森田晃樹は準決勝で1ゴール1アシストを記録。鮮やかなヘディングシュートを「あれ、入ったかなという感じだった(笑)」と振り返った。

 J2リーグを3位で終えて自動昇格は逃したものの、2試合を制すればJ1の舞台が見えてくる。2試合ともに“オリジナル10”との試合になったが、キャプテン森田は試合前に選手たちに声をかけた。「やることは変わらないと。自分たちが一年間積み上げてきたものを信じて、それを高いレベルでやろうと話した」。序盤は千葉の勢いに圧されたが、徐々にペースを握る。そして前半34分、森田のお膳立てからゴールが生まれた。

 左サイドでボールを持った森田が敵陣に迫った。PA手前へのパスをFW染野唯月がワンツー。森田は相手守備陣が詰め寄る中で、強引にPA内に入り込む。すると、右足ヒールで蹴ったボールがMF中原輝のもとへ。「アシストしようと思ってアシストしたわけではない。輝くんの力」。中原の左足シュートがゴール右隅に突き刺さり、価値ある先制ゴールとなった。

 さらに、森田は前半44分に自らゴールを挙げる。MF齋藤功佑が左サイドで溜めを作ると、中盤にいた森田は「齋藤選手が練習中からああいうボールを練習しているところを見ていた。質の高いボールが上がってくるだろうと思っていたので」と決定機の到来を察知。最前線まで猛ダッシュで駆け抜け、PAのファーサイドで待ち構えると、齋藤のクロスをヘディングシュートでゴールに叩き込んだ。

 167cmの森田がヘディングシュートでゴールを割った。昨シーズンのJ2第14節・ベガルタ仙台戦でも決めており、そのときは「ユースの公式戦でもない。小学校のとき以来かも」とコメント。一年半後に再びヘディングでの得点。それはJ1リーグ到達に王手をかける価値ある一発となった。

 あと一試合でJ1の扉を開けることができる。森田は「本当にラストの一試合。場所も国立。相手も清水」と気を引き締める。城福浩監督も試合後の会見で「世の中の人が見たときに、このメンバーでJ2にいてはいけないでしょうというクラブであり、そういうメンバー」と警戒。森田も「山形戦を観たが、注意すべきところはチアゴ・サンタナ選手や乾選手という攻撃の核。そこからの攻撃がやはり怖い。そこをいかに抑えるか」と分析していた。

 それでも3位でリーグ戦を終えた東京Vに分があり、引き分けでも昇格できる。どう転んでも最後の一試合だが、それは大きな運命の分かれ道。チームをけん引してきたキャプテンは「最後に勝って終わりたい」と力を込めていた。

(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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