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川崎F新加入の山本悠樹、日の丸背負う“最後のユニバ”世代に追いつくために「もがいて成長することが自分にできること」

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MF山本悠樹

 自らの成長のため、悩んだ末の移籍決断となった。川崎フロンターレに加入したMF山本悠樹(←G大阪)は新体制発表後の囲み取材で「ガンバに成長させてもらった思いもある一方、厳しいところに自分から行って、もがいて成長することが短いキャリアで自分にできることだと思った」と揺れ動いた心境を明かした。

 関西学院大を卒業後、2020シーズンからガンバ大阪に加入した。初年度から定位置を掴み、昨シーズンは副キャプテンとしてチームをけん引。だが、自身の成長のために新たな道に進んだ。

 チームはすでに沖縄でキャンプをスタートさせ、山本も新天地に順応しようとしている。“止める蹴る”の技術が高い山本でも、川崎Fの技術練習の多さや、微妙なズレの指摘には驚きを隠せない。だが「こんなに言われるところは少ないのでは」と困惑しながらも「すごくありがたい」と前向きだ。ゲームやポゼッション練習も狭いエリアで行われるなかで「より狭いところで頭の回転の速さを発揮できれば、また違った景色が見えてくる」と成長に意欲をのぞかせた。

 中盤ポジションをこなす山本だが、自身は中盤のタレントを生かす役割に興味を示す。「(脇坂)泰斗くんや(大島)僚太くんとか、前にすごく特長のある選手が多い。そういう選手をうまく使うというのもすごく楽しい」とアンカー起用にやる気を見せていた。

 もはや伝説となった“最後のユニバーシアード日本代表”世代だ。ユニバーシアード競技大会は2019年ナポリ大会でサッカー競技が終了。日本は有終の美を飾り、見事優勝を果たした。当時筑波大4年だったMF三笘薫(ブライトン)や順天堂大4年だったMF旗手怜央(セルティック)、法政大3年だったFW上田綺世(フェイエノールト)を始め、当時のメンバー全員がJリーグや海外で活躍を続ける。関西学院大4年だった山本もその一人。だからこそ、日本代表で活躍する三笘や旗手らへの意識は強い。

「刺激をもらう部分と悔しさと半々みたいなところはある。今のままでは届かないという思いがあって、今回の決断に至った。そこに届くように本当にがんばっていかないといけない」

 背番号は大学時からずっと着けていた29番ではなく、77番になった。川崎Fではひと桁番号を希望するも空いておらず、29番も昨シーズンまでDF高井幸大が着用。「だったら大きい番号かなと。いいことありそうだなという感じで(笑)」と77番に決定した。なお、そのあと高井からは「僕譲りましたよ」と言われたというが「ずっと29なんでもういいかなと」。心機一転でさらなる成長を目指すつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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