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猛プレスで一時逆転を演出…U-23日本代表入りの新潟MF小見洋太「僕もやるべきことをやった上で」戦友との代表タッグを夢見る

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猛プレスを仕掛け続けたMF小見洋太

[3.16 J1第4節 東京V 2-2 新潟 味スタ]

 チーム内の誰よりも走り、一時逆転となるゴールを演出した。アルビレックス新潟東京ヴェルディと痛み分け。U-23日本代表MF小見洋太はチーム最多の走行距離12.5kmで攻守に躍動した。

 試合序盤に先制を許したが、流れは徐々に新潟へと傾いた。「逆転まで持っていけたところまではプラン通り。僕らのほうが上回っていた点」(小見)。前半32分に1-1と同点に追いつくと、後半24分に小見が最前線で持ち味を発揮。DF谷口栄斗にボールが渡った瞬間に猛プレスを仕掛ける。パスミスを誘発し、ボールを拾ったFW長倉幹樹が一時逆転ゴールを沈めた。

 猪突猛進でなく、考え抜かれたプレスだった。左CB谷口に圧をかけながら、左SB翁長聖へのパスコースを防ぐ。長倉ら味方が待ち構えるピッチ中央にパスを出させた。「CBとSBの2枚を1人で見ることは取り組んできたところ。そこが結果という形で現れたのはすごくポジティブ」。隠れた好プレーが逆転ゴールを生み出した。

 試合終了間際の失点で引き分けたことには「すごくショック」と肩を落とした。自らも後半5分のシュートチャンスでゴール枠外に飛ばした。「やっぱりそこは課題。その精度をもっと上げていかないといけない」と悔しさをにじませる。勝ち切る自信があったからこそ「取りこぼしてしまったという表現が適切だと思う。そういうゲームにしてしまった。すごく悔しさのほうが大きい」と振り返った。

 前日にはパリオリンピックを目指すU-23日本代表に選出された。「入ると思っていなかったのでびっくりした」。昨年9月にアジア大会メンバーに選ばれて以来2度目。同大会の準決勝では得意のプレスからボールを奪って1得点を記録した。常連組不在の即興チームながら決勝まで進出したものの、韓国に敗れて準優勝。小見は「個で何かできないと、できることは限られてくるとすごく感じた」と自身の課題を見出した。

「(アジア大会後から)個の力はすごく意識を高めて取り組んできた。今シーズンその意識を上げてきたことは、随所に表現できている部分ではある。あれからどこまで自分ができるようになったのかを試すいい機会になる」

 U-23日本代表の常連には、元チームメイトであるMF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)がいる。しかし、小見の半年ぶり招集の傍らで三戸は招集されず。来月のパリ五輪アジア最終予選を兼ねるU23アジアカップがインターナショナルマッチウィーク外により拘束力がないため、現状で同大会に呼べない可能性がある一部の海外組は招集が見送られていた。

 代表での初タッグはお預けとなったが、小見はベクトルを自らに向けてその時を待つ。「彼はあっちのほうで事情があるとは思う。もちろんまた同じチーム、同じピッチでプレーしたいという気持ちはある。僕もやるべきことをやった上で、また機会があれば」。近い未来の“コミト”コンビ復活を夢見て、代表定着への意気込みを語っていた。

(取材・文 石川祐介)


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Text by 石川祐介

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