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大卒即鹿島のレギュラー定着も“パリ世代”入りお預け…結果求めるDF濃野公人「試合に出ているだけじゃダメ」

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鹿島アントラーズDF濃野公人

[3.17 J1第4節 鹿島 2-1 川崎F カシマ]

 持ち味の攻撃参加だけでなく、守備でも粘り強い対応を続けた鹿島アントラーズDF濃野公人が、カシマスタジアムでの初白星を掴んだ。試合後には「皆さんも勝利をものすごく欲していたと思うし、皆さんが笑顔になって喜びを分かち合えたのは試合が終わってからも震えるものがあった。これがカシマスタジアムでの勝利なんだなというのを味わえたので、もっともっとこのカシマスタジアムで勝利を分かち合えればと思う」と喜びを語った。

 過去8年間にわたって勝利のなかった川崎フロンターレとの一戦。濃野はJリーグ屈指のウインガーであるFWマルシーニョとのマッチアップに臨んだ。頭にあったのは前節・町田戦(●0-1)での反省。前半早々にMF佐野海舟のボールロストからショートカウンターを受け、失点を喫していたが、対峙していたMF平河悠にゴールを許したことに悔いが残っていた。

「前節の町田戦では海舟くんのミスが取り上げられがちだけど、自分のポジションを見直さないといけないと思った。今日はパンチのあるマルシーニョ選手に絶対にやらせないように頭に入れて入ったし、ポジションを細かく修正することを意識して入った」(濃野)

 立ち上がりからマルシーニョの単独突破に手を焼く場面もあったが、間合いを調整しながら徐々に順応。0-0で迎えた前半36分に守備陣の乱れから当のマルシーニョにゴールを決められたが、それもより危険な位置に走り込んでいたFW山田新への対応を優先した結果だった。また後半からは対人で激しく粘り強い対応を続け、ロングキックの競り合いでレッドカードを誘発。この日は攻撃だけでなく、守備の仕事でも存在感を放った。

 マルシーニョを目掛けて蹴ってくるロングボールにも集中力を切らさず、「ほぼやられることはなかったので良かった」と濃野。「困ったらマルシーニョ選手の裏に蹴ってくるのはスカウティングでもあって、頭にも入っていたのでしっかり対応しようという思いはあった。個人的なところでやられないようにするのはこれからも大事なので、個人戦術でもっと磨きをかけないといきたい」。一歩前を見据えるきっかけとなる試合になった。

 関西学院大から今季加入した濃野は、2002年早生まれのパリ五輪世代。開幕節から4試合連続の先発出場が続いているが、パリ五輪予選前最後の親善試合に臨むU-23日本代表には選出されなかった。今回の代表チームは右SBに内野貴史(デュッセルドルフ)、半田陸(G大阪)、関根大輝(柏)の3人が選ばれており、かねてより目標としていた夢舞台の前には分厚い壁が立ちはだかっている形だ。

 それでも濃野は冷静にいまの立場を受け止めていた。「まだまだ自分の力が足りないということ。選ばれている人たちの名前を見ても自分は足りていないと思うことだらけだった。試合に出ているだけじゃダメだし、試合で活躍してナンボだと思うので、結果にこだわってやっていきたい」。この日はMF名古新太郎へのクロスでビッグチャンスも作ったが、ダイビングヘッドが外れたためプロ初アシストはお預け。「逆サイドの(安西)幸輝くんを見ていても、最後の質がものすごく高い。僕に足りないものはそこにあるのかなと思う。前に出ていくタイミングは少しずつ掴めているので、最後アシストにする、ゴールにするところにこだわってやっていきたい」と結果を追い求めていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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Text by 竹内達也

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