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リーグ最小失点の守備を支えつつ、攻撃の起点としても存在感を見せる柏DF犬飼智也

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開幕からフル出場を続ける柏DF犬飼智也

[4.28 J1第10節 柏 1-1 鳥栖 三協F柏]

 前半、自陣でサガン鳥栖にFKを与え、FWマルセロ・ヒアンに先制点を許してしまった柏レイソル。それでもFW島村拓弥の同点弾で1-1として後半に折り返すと、残りの45分は柏のペースで進んだ。

「前から圧力をかけて相手にバックパスをさせて苦し紛れのボールを蹴らせる、という自分たちの狙い通りの戦いは、後半特にできていた」

 CBとしてフル出場したDF犬飼智也は、チームの戦い方には満足を示した。後半のシュート数だけ見れば、柏の9本に対して鳥栖は0本だった。それでも、「内容的には満足しているんですけど、あとは最後のところかなと思います」と、遠かった2点目を犬飼は悔やんだ。

 鳥栖の最終ラインと中盤の間に顔を出すFW島村拓弥や途中出場のFW武藤雄樹らに、低くて早い縦パスを打ち込むシーンが幾度も見られた犬飼。縦パスからゴール前に進む場面もあったが、「どっちかと言えば、まずは背後(へのパス)。背後があるからこそ、ああいうパスが生きてくる」という。後半15分には、GK松本健太からのパスを自陣で受けた犬飼が、鳥栖最終ラインの背後へフィード。FWマテウス・サヴィオが1タッチでPAに進入し、シュートまで持ち込んだ。「あれは狙い通りです」。最終ラインを支えつつ、攻撃のスイッチを入れる役割も13番が担う。

 下位に低迷し、苦しみ最終節までJ1残留を確定させることができなかった昨シーズンの柏。夏に犬飼が期限付きで加入してからは守備が安定、それでも失点数はリーグワースト5位タイだったが、今季は広島、神戸と並んでリーグ最少を誇っている。「1試合少ないですけど」と犬飼は前置きしつつ、「でも少ないことはいいこと」とポジティブだ。

 とはいえ守備面で課題がないわけではない。少ない失点の中でも、セットプレーの守備には改善の余地がある。7失点のうち、流れの中から許したのは1失点のみで、PKを含めたセットプレーが多い。「修正しないといけない明白なところがあるので、どこまで突き詰められるかだと思います」。来月31歳を迎えるDFは、成長を誓った。

(取材・文 奥山典幸)

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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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