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G大阪・宇佐美が初先発でアシスト。遠藤不在を救った

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[4.10 J1第6節 大宮1-3G大阪 NACK]

 ガンバ大阪の至宝、17歳FW宇佐美貴史がリーグ戦初勝利に貢献した。今季リーグ戦初出場&初先発。4-5-1システムの左MFに入り、攻撃にアクセントを加えようと奮闘した。前半44分には左サイドから右足アウトでスルーパスを出し、FW平井将生の同点弾をアシストした。

 「自分の持ち味の仕掛けを、チームのパスサッカーの中でいい形で出せればと思っていた。あそこ(アシスト)は相手CBが速くないので(平井が)裏に抜けたら出そうと思っていた。90分フル出場? 最初から最後まで出ると楽しい。90分間出て勝てたのは、プロで初めて。気持ちよかったです」

 宇佐美の表情には、笑顔と安堵感が入り混じっていた。先発は突然だった。ルーカスやチョのFW陣のほか、日本代表MF遠藤保仁も左大腿裏筋膜炎で離脱した中、試合当日に、西野監督から告げられた。それも朝の散歩のあと、エレベータの前で声をかけられた。

 「エレベータで監督から、スタートから行くぞと、笑いながら言われた。(一気に)緊張が高まって、顔がこわばってたと思う。返事もハイとだけで、硬かったと思う」と振り返る。それでも結果を出したのは、U-19日本代表にも選出され、将来の日本を背負う逸材と言われるゆえんだ。西野朗監督も「貴史は U-19日本代表の遠征(3月下旬、ダラスカップ)から帰ってきてからもアグレッシブにやっていた。自信を持って試合に入れたと思う」と高く評価した。

 とはいえ、課題はまだまだたくさんある。「心肺機能は大丈夫でしたけど、足がいっていた。あまり緊張していないと思ったけど、体は緊張してたんですね。途中から走るたびに足がつっていた。場所? 全部です」と宇佐美は苦笑いを浮かべた。

 たしかに、この日もボールを持っていない場面では運動量が不足した。17歳だから仕方がないといえるが、テクニックは抜群だけにフィジカル、運動量を付ければ、さらなる飛躍が期待できる。

 「これからも試合に出られるように頑張りたい。これで終わりにしてはいけない。気を抜かないようにしたい。気を緩めないで頑張りたいです」とさらなる活躍を誓った宇佐美。西野監督は「足をつりながら代えたい状況ではあったが、貴史を使ったのは90分やってみて強く感じるものが彼自身にもあったと思うから」と明かしており、期待を寄せているのは間違いない。チームは新たに絶好調のFW平井が怪我をするなど苦しい状況が続くが、若きアタッカーは“救世主”になるつもりだ。

<写真>G大阪FW宇佐美
(取材・文 近藤安弘)

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