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名誉?不名誉? F東京、大黒弾で先制もJ1記録のホーム戦7試合連続ドロー

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[7.28 J1第15節 F東京1-1磐田 国立]

 J1第15節の2日目が28日に各地で行われ、東京・国立競技場では暫定11位のFC東京と同13位のジュビロ磐田が対戦した。

 F東京は後半2分に元日本代表FW大黒将志の2戦連続弾で先制したが、直後にDF那須大亮のヘディングシュートをクリアミスし、オウンゴールで同点、1-1の引き分けに終わった。F東京はこれでJ1記録を更新するホーム戦7試合連続ドロー劇と“トンネル”から抜け出せない。

 F東京はボランチの徳永悠平が怪我で離脱、MF石川直宏はベンチスタートだった。システムはいつもの4-4-2を採用。GKは3試合ぶりの先発復帰となる権田修一、DFラインは右から中村北斗、今野泰幸、キム・ヨングン、松下年宏。中盤はボランチが森重真人と梶山陽平、右MFには大竹洋平、左MFには羽生直剛が入った。2トップはリカルジーニョと大黒将志が組んだ。

 対する磐田も4-4-2を採用。GKは八田直樹、DFラインは右から駒野友一、大井健太郎、那須大亮、パク・チュホ。中盤はボランチが山本康裕と上田康太、右MFには西紀寛、左MFにはジウシーニョが入った。2トップは成岡翔と前田遼一が組んだ。

 序盤、両軍ともにあまりリスクを冒さず、DFラインやボランチでボールを回す時間が続いた。F東京は前にボールを運ぶも、FWと2列目の距離が遠い。磐田はFWにボールが入らないため、うまく攻撃を仕掛けられなかった。

 まったりとした時間が続く中、最初に好機を作ったのは磐田。前半14分、右サイドを日本代表DF駒野が仕掛けてクロス。これを元日本代表FW前田がニアで合わせてヘディングシュートを放った。“1点もの”だったが、これはGK権田の好セーブに阻まれた。

 FC東京はセットプレーで好機を作る。前半19分、右サイドで得たFK。これを松下が入れ、F東京選手がヘディングシュート。綺麗にゴールネットを揺らしたが、なんとオフサイドと判定され、幻のゴールに終わった。

 その後、左のジウシーニョ、右の西&駒野を起点に攻める磐田が、やや押しこむ展開が続く。だが、F東京はバイタルエリアをしっかりとブロック。突破は許さなかった。F東京は2列目での崩しに工夫がない。ミドルレンジの縦パスを多用し大黒、リカルジーニョを走らせるが、うまくつながらない。両軍とも最後までゆったりとした展開のまま、前半を0-0で折り返した。

 ハーフタイムには花火が打ち上げられ、前半戦以上の歓声が上がったが、これが“号砲”となったのか、後半開始すぐに試合が動いた。後半2分、F東京が先制した。梶山の右クロスに元日本代表FW大黒将志がファーサイドでヘディングシュート。丁寧にたたきつけ右サイドに突き刺した。大黒は2試合連続のゴールとなった。

 しかし、F東京は流れに乗り切れない。後半6分、すぐに追いつかれてしまった。クロスからDF那須大亮がヘディングシュート。ワンバウンドしたボールはGK権田の伸ばした手の上を抜けてゴールへ・・・。これはライン上ギリギリで松下がクリアしたが、何と大黒に当たりゴールイン・・・。先制したF東京にとっては悔やまれる同点弾となった。

 セカンドホームとはいえ、ナビスコ杯を2度制覇した聖地・国立で何としても勝ちたいF東京は、後半13分に大竹に代えて石川直宏を投入。さらにその2分後にはリカルジーニョに代えて赤嶺真吾を送り出した。

 それでもなかなか流れはつかめない。磐田が攻勢を仕掛ける。後半15分、ジウシーニョが左45度から綺麗なシュート。同24分には成岡がPA右からフリーでシュート。同24分には、CKのこぼれ球から磐田選手が押しこむ。いずれもいいシュートだったが、GK権田のファインセーブに防がれ、あと一歩で逆転弾が決められなかった。

 F東京は後半34分、羽生に代えてMF鈴木達也を投入。対する磐田は同37分、ジウシーニョに代えてMF船谷圭祐を送り出した。F東京は同42分、絶好機を迎えた。鈴木、松下らのパス交換で左サイドを攻略し、最後はPA内左を鈴木が突破して、右にいた赤嶺にラストパス。しかし、赤嶺はシュートに行くまでが遅く、磐田DFにブロックされてしまった。

 ロスタイムは3分。磐田はその直前に成岡に代えてDF岡田隆を入れ、引き分けを狙いにいった。F東京は必死に攻めるが、ゴールが割れない。48分、右CKのこぼれ球から梶山がミドルシュートを放つが、上に外れてしまった。試合はそのまま1-1で終了。ともに、あと一歩といえる試合内容となった。

(取材・文 近藤安弘)

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