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京都が今季初無失点で約半年ぶりの白星、秋田監督も初勝利

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[9.11 J1第22節 京都3-0神戸 西京極]

 ようやく長いトンネルから抜け出した。京都サンガF.C.秋田豊監督就任後、リーグ戦で初勝利を飾った。3-0の快勝で、今季リーグ戦では22試合目にして初の無失点。3月27日の磐田戦(3-2)以来、18試合ぶり、実に168日ぶりとなる白星で、最下位からも脱出した。

 立ち上がりから京都ペースで試合は進み、前半35分、FWディエゴの左FKをファーサイドで神戸DFがクリアミス。これをFWドゥトラが押し込み、先制点を奪う。

 さらに後半10分にFW柳沢敦がピッチに入ると、試合の流れは完全に京都へ移った。縦へ縦へ攻め込む柳沢に、神戸守備陣はファウルでしか対応することができず、同14分にDF松岡亮輔、同34分にはGK榎本達也が柳沢を止めようとして痛恨のファウル。ともに2枚目の警告で退場となった。

 交代枠を使い切っていた神戸は急きょDF河本裕之がGKに。11人対9人と圧倒的な数的優位に立った京都が完全に試合を支配した。後半46分にディエゴが追加点を奪うと、後半ロスタイム7分となった同52分にはMF渡邉大剛がGK不在の無人のゴールへダメ押しの3点目を押し込んだ。
 
 貴重な先制点を決めたドゥトラは試合後のインタビューで「すべてがサンガの方によく回ったし、すべてがサンガの日だった」とコメント。半年近く勝利から見放されていた中での勝利を素直に喜んでいた。

 この日はDF登録の西野泰正をFWで先発起用し、J初出場となる20歳のGK守田達弥を抜擢した。前半38分にはMFポポの強烈な直接FKが枠内へ飛んだが、守田がビックセーブでゴールを死守。その後も落ち着いたセービングを連発し、完封勝利に大きく貢献した。

 5日の天皇杯2回戦でJFL佐川印刷SCを延長戦の末、下し、就任後公式戦初勝利を挙げたとはいえ、秋田監督にとってリーグ戦は初勝利。「長かったですね。何も言うことはないです。選手たちが自分についてきてトレーニングに励んだ結果です」と感慨深げに話していた。

 湘南を抜いて順位も1つ上がったが、依然17位。残留圏までは勝ち点7差ある。厳しい残留争いは続くが、この日の勝利をきっかけに奇跡の逆転残留を目指す。

(文 片岡涼)

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