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岩政「相手に助けられた」、鹿島が産みの苦しみから勝ち点3ゲット

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[9.11 J1第22節 鹿島1-0仙台 カシマ]

 リーグ戦5試合勝利なし(3分2敗)と苦しんできた鹿島アントラーズにようやく勝利の女神がほほ笑んだ。7月31日の神戸戦(3-0)以来、6試合ぶりの勝利。実に42日ぶりとなる勝ち点3。それでも、試合後の選手は厳しい表情を崩さなかった。

 DF新井場徹は「内容どうこうより勝つことが今一番必要だった。勝ち点1で内容がいいより、今のチーム状況を考えると、勝ち点3を取れたことをよしとしないといけない」と指摘。決して試合内容には満足していなかった。

 シュート数は26対9本。圧倒的に攻め込みながら決定力を欠き、2点目を奪えなかった。高い位置からのプレスで相手の攻撃を封じ、ピンチの数は多くなかったが、徐々に運動量の落ちた後半はヒヤリとする場面もあった。DF岩政大樹は「相手の調子があまりよくなかった。向こうもナビスコをやっているし、それに助けられた。必ずしもうちのデキがよかったとは思っていない」とまで言った。

 相手も同条件ではあるが、ナビスコ杯との過密日程の中、MF小笠原満男を出場停止で欠いていた。この日は新井場にPA内でハンドの反則があったようにも見えたが、主審の笛が鳴らない運も味方した。さまざまな要素が絡んだとはいえ、勝利から見放されている時期は終盤に追い付かれる展開も多く、鹿島らしい勝負強さが見られなかっただけに、1-0で逃げ切れたことはこの先につながるはずだ。

 決勝点のMF中田浩二は「ナビスコはああいう形で負けたけど、切り替えていこうと話していた。終盤に点を取られることが多かったので、意識して最後まで走り切ろうと。FWから全員が高い意識を持って守備ができた。ちょっとしたミスで突け入る隙を与えたところもあったけど、トータルして集中してできた」と胸を張った。

 「今日勝ったからといって、何かを得たわけじゃない。最後、どの位置にいるかが大事。気を緩めず、今日のことはもう終わったので、次に切り替えていきたい」と新井場は力説した。シーズン終盤に強さを発揮し、前人未到の3連覇を達成した王者。暑く苦しんだ夏の終わりが近づく中、ひとつの壁を乗り越えたのは間違いない。

<写真>相手選手と競り合う鹿島DF岩政
(取材・文 西山紘平)

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