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1年分の思いを込めた魂のヘッド、北嶋がJ1昇格弾!!

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[11.7 J2第33節 柏3-0岐阜 柏]

 涙の降格から344日、柏レイソルが再びJ1の舞台に返り咲いた。1年分の思いを込めた魂のヘディングだった。引き分け以上でJ1昇格が決まる大一番。先制点が昇格決定弾となったFW北嶋秀朗は「ホームで勝って決めたかった。去年、サポーターに悲しい思いをさせて、ここでうれしい思いをさせることが大事だと思っていた」と会心の笑みを見せた。

 0-0の後半12分、MFレアンドロ・ドミンゲスのFKからファーサイドのFW林陵平がヘディングシュート。GKの横を抜けたボールはそのままゴールインする勢いだったが、北嶋がゴール前に飛び込み、体ごとゴールに押し込んだ。

 いったんは林の得点としてアナウンスされたが、数分後、北嶋の得点に変更された。「俺のゴールになりました? よかったです。林、ごめん」。試合直後のヒーローインタビューではそうおどけたが、ゴールへの思いはだれよりも強かった。

 昨年11月28日のJ1第33節・大宮戦。引き分け以下でJ2降格が決まる崖っ縁の一戦に北嶋は0-0の後半22分からピッチに入った。しかし、同29分にチームは失点。その直後にFWフランサのゴールで追い付いたが、勝ち越し点を奪うことはできず、1-1の引き分けで降格が決まった。

 北嶋は「自分が決められなかったから降格した」と自分を責め続けてきた。だからこそ「自分が決めてホームで昇格を決めたかった」と貪欲にゴールにこだわった。「自分のゴールであってほしいと思っていた。しっかりゴールを決めて、サポーターにうれしい思いをさせることができてよかった」と、1年前の無念を晴らすゴールに胸をなで下ろした。

 今季は第3節、第4節と先発したものの、その後は出場機会に恵まれない苦しいシーズンだった。それでも9月19日の千葉ダービーで21試合ぶりの先発を果たすと、今季初ゴール。続く福岡戦、10月2日の栃木戦でもゴールを決めるなど千葉戦以降は8試合連続先発と、FWの中心としてチームを最前線から牽引してきた。

 2シーズンぶりとなるJ1の舞台。「J1でも通用しなきゃ今までやってきたことの意味がない。今年1年でやってきたことに自信を持っているし、チーム全員が手応えを持っている。昇格が決まったけど、レイソルが本来の姿に戻っただけ。J2で優勝して、J1に殴り込みたい」。今もなお成長を続ける32歳のベテランFWがまずはJ2の頂点を目指す。

[写真]先制点を決めた柏FW北嶋
(取材・文 西山紘平)

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