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公式戦270分間でノーゴールのFW陣、興梠「ふがいない」

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[3.6 J1第1節 鹿島3-3大宮 カシマ]

 深刻な決定力不足に苦しんでいる。3得点を奪った鹿島アントラーズだが、そのうち2点はCKからDFが決めたもので、残り1点は相手のオウンゴール。2月26日の富士ゼロックススーパー杯(1-1、PK1-3)はMF野沢拓也の直接FKによる得点で、2日のACL上海申花戦は0-0のスコアレスドローだった。

 今季公式戦270分間でFWによる得点はゼロ。特にこの日は多くのチャンスがあっただけに、そのフィニッシュの精度の低さが目立つ格好となってしまった。

 FW興梠慎三は「いい形は何度もあったけど、僕が決められなくてチームに迷惑をかけた。ふがいないと思う」とうなだれ、FW大迫勇也は「チャンスはあったので、そこで決めていればチームは楽になった。結果を出して評価されるポジションだし、常に結果だけを考えて、しっかりチャンスに決めていきたい」と必死に前を向く。

 FWマルキーニョスが退団した今季は興梠、大迫という和製2トップへの期待が高まっている。今オフに補強したFWカルロンはなかなかチームにフィットせず、この日も後半31分から大迫に代わって途中出場したが、シュートを打てなかった。後半38分から出場したFW田代有三はシュート2本を放ったが、やはり精度を欠いた。

 DF伊野波雅彦は「上海の試合と違って、今日は多くのチャンスがあった。そこで決められる選手がいるか、いないか。去年はそこでマルキがある程度決めてくれた。決めるところで決めないと、こうなってしまう」と、あえて攻撃陣に厳しい言葉を投げかけた。

 尻に火が付いたのは確かだろう。DF岩政大樹は「今日一番良かったのは、FW陣が結果を出さないとやばいと痛感したところ」と言う。「マルキがいなくなっただけで危機感を持てるほど人間はよくできてない。今日は3人ともチャンスがあって外した。それが重要で、成長につながる。僕らはそれを待たないといけないし、それまではセットプレーでも何でも泥臭く点を取っていきたい」。チームが待ち望む和製大砲の誕生。今は“産みの苦しみ”と信じ、我慢強く戦っていくしかない。

[写真]不発に終わった興梠

(取材・文 西山紘平)

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