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あの名ゼリフも披露!アルシンドJr・イゴール「歴史に名を刻みたい」

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 「アルシンドJr」が鹿島アントラーズの一員となってから初めての練習に臨んだ。10日に鹿島とプロC契約を結んだFWイゴールは前日27日に来日。プロとなってから初めて行った28日の練習後、「プロサッカー選手として夢がかなった初日、うれしいです」と素直に喜びを口にした。
 
 イゴールの父・アルシンド氏は鹿島のFWとして2シーズンで71試合50得点を挙げている“レジェンド”。鹿島で輝かしい歴史を築いた父と比較されるプレッシャーと戦うこととなるが、「日本でプレーしたいと思っていた」と決意。昨夏受けたトライアルで鹿島から将来性を評価されてこともあり、鹿島入りを勝ち取った。
 
 武器は両サイドを駆け上がっていくスピード、テクニック、そして「皆さんに見てもらいたい」と自信を持つシュート。さらに「前線での流動的かつ躍動感ある動きも見てもらいたい」。
 そしてこの日、練習場で話題になったのは、走り方が独特だった父のものと酷似しているということ。指摘されたイゴールは「一生懸命走る姿がお父さんと似ていると言われることがある」と苦笑い。鹿島入団に際し、その父から受けたアドバイスは「安心して行ってきなさい」といううことと「自分の力を信じてプレーすればチャンスはめぐって来る。チャンスをものにしていくことが大事」ということだった。父の献身的なプレーに影響を受けてきたイゴール。単身日本に渡り、チャンスで必ず結果を出した父からのアドバイスどおりに結果を求めていく。

 ユーモアのセンスも父譲りだ。ブラジルパラナ州で父が経営する農場内のグラウンドでボールを蹴って育ってきたFWは「お父さんは細かく指示を出してくる。父と組んだらいい2トップになると思いますよ。お父さんは結構動けるので」と報道陣を笑わせたほか、「覚えている日本語は?」の問いに「おはよう」「こんばんは」と続けた後に「トモダチならあたりまえ」と父がCMで一世風靡をした名ゼリフまで披露して見せた。本人は父と性格が違うことを認めていたが、18歳のルーキーFWはプレー以外の面でも注目が集まりそうだ。
 
 現在、鹿島はブラジル人選手3人を抱えており、イゴールの扱いは第4の外国人選手。デビューまでの道のりが簡単でないことは分かっている。それでも「チャンスは必ず来ると思うので、チャンスを生かして試合に出続けられるように頑張る。自分のプレーで歴史に名を刻みたい」と誓うイゴールが自らの力で目の前の壁を打ち倒し、“故郷”日本で父のようなサクセスストーリーを描く。

(取材・文 吉田太郎)

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