beacon

「あこがれ」の日本代表と夢の対決、カズがゴールを誓う

このエントリーをはてなブックマークに追加
 夢の対決を待ち遠しく思っている。29日に長居スタジアムで行われる「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」。Jリーグ選抜「Jリーグ TEAM AS ONE」の一員として日本代表と対戦するFW三浦知良(横浜FC)は「年齢のことはあまり言いたくないけど、44歳になった今でも日本代表はあこがれのチーム」と特別な思いを口にした。

「常に代表のユニフォームを着たいと思ってやっているし、その相手とやれる。自分が代表としてやるのと同じぐらい、敵としてやるのも楽しみに思っている」

 カズ対ザックジャパン。日本中のサッカーファンすべてが待ち望んだ夢のカードが実現した。一般公開で行われた公式練習には1万人を超えるサポーターが集結。練習前には選手20人全員が入場ゲートに立ってファンを出迎え、募金活動も行った。

「サッカーの力は大きいなと感じました」。途切れることのないの大行列。募金を入れるファンから「よろしくお願いします」と声をかけられたというカズは「みんなが現状をしっかり受け止めて協力してくれている。子供から大人まで全員が一つになってやろうとしていると思う」と実感を込めて語った。

 日本だけではない。欧州や南米など世界中のクラブが日本の被災地へメッセージを発している。「ブラジルでも、フラメンゴやコリンチャンスがユニフォームに日本語で『頑張れ』というメッセージを書いている。サッカーのスケールの大きさ、懐の深さを感じている」。ブラジルや欧州など世界中でプレーしてきたカズにとっても、あらためてサッカーの素晴らしさを体感することができた。

 前日練習では4-3-3のシステムに合わせて戦術を確認。カズは3トップの中央に位置した。募金活動中もファンから「カズさんのゴールが見たいです」「ゴールを決めてください」と声をかけられ、チームメイトからも「カズさんに点を取ってほしい」と、“アシスト”の声が広がっている。

「勝ちたいし、勝つためにはゴールしないといけない。仲間がそう言ってくれるなら、そういう働きをしたい。全力を尽くして、少しでも(ゴールに)近づけるように頑張りたい」

 ゴール後はカズダンスを期待する声もある一方、この時期のパフォーマンスに否定的な意見もある。DF槙野智章がゴール後のパフォーマンスを封印するなど“自粛ムード”もあるが、「やってもいいんじゃないかな。いろんな意見はあると思うけど、やるというのも一つの選択肢としてあっていいと思う」と言う。ゴール&カズダンス。被災地への思いを胸に、44歳の最年長Jリーガーがピッチに立つ。

(取材・文 西山紘平)

TOP