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小笠原「どん底からはい上がっていく姿を見せたい」

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[4.23 J1第7節 鹿島0-3横浜FM 国立]

 がっくりと肩を落とした。鹿島アントラーズは前半3分にクリアミスから先制を許すと、後半31分にセットプレーから2失点目を喫し、ロスタイムにはオウンゴールでダメを押された。3月6日の大宮との開幕戦(3-3)に続く2試合連続の3失点。攻撃でもシュート13本を打ったが、決定機と呼べるチャンスはわずかで、約1ヵ月半ぶりのリーグ再開初戦は完敗だった。

「悔しいし、情けない」。DF岩政大樹は唇をかみ締めた。「東北ほどではないにしても、茨城も震災の被害を受けて、被災地(のクラブ)として強い気持ちをピッチで示して、いろんな人に力を感じてもらいたかった」。震災の影響で本拠地のカシマスタジアムも損傷し、国立競技場で行われたホームゲーム。強風と雨の悪天候の中、1万5688人の観衆がスタジアムに集まったが、サポーターに勝利をプレゼントすることはできなかった。

 スパイクに「東北人魂」の刺繍を入れて試合に臨んだMF小笠原満男は「勝ちたかったし、ふがいない展開になって、だれも望んでいない結果になった」と声を落とした。前半20分には強烈なミドルシュートを放つなどチーム最多の3本のシュートを打った。中盤で体を張り、懸命にゴールを目指したが、結果は非情だった。

「どん底からのスタートだけど、なんとかここからはい上がって頑張りたい。厳しい結果になったけど、ここから僕たちも勝ち続けて、いろんな人を喜ばせてあげたいし、はい上がっていく姿を見せたい」

 落ち込んでいる時間はない。復興に向けて立ち上がる被災地の人たちとともに、自分たちはピッチの上で勝利を目指すだけだ。

[写真]試合後、サポーターに挨拶する小笠原

(取材・文 西山紘平)

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