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「見たことない」「防ぎようない」、F東京はロングスローと204cmの高さに沈む

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[4.24 J2第8節 千葉3-0F東京 フクアリ]

 オーロイの一発に沈んだ。FC東京は立ち上がりから試合の主導権を握り、再三、決定機をつくった。しかし、シュートはことごとく枠を外れ、1点を取ることができない。すると、後半32分、DFミリガンのロングスローから直接、FWオーロイにヘディングシュートを決められ、失点。その後は前がかりになったところを立て続けに突かれ、終わってみれば0-3の完敗だった。

「高さは警戒していたつもりだけど、ロングスロー1本で直接決まるなんて見たことがない」。DF今野泰幸は呆れたように言った。204cmというJリーグ歴代最長身のオーロイ。チームは空気圧で膨らませるタイプの人形にドラム缶をプラスした215cmの“オーロイ君”を作成し、高さ対策に取り組んだ。流れの中ではクロッサーに対しプレッシャーをかけ、ゴール前でも今野、DF森重真人が体を寄せてオーロイに自由を与えない。狙い通りの守備はできていたが、ロングスロー1本でオーロイに合わせるというのは想定外だった。

 森重は「ロングスローがあるのは分かってなかった。でも1本目の時点で、みんなで修正はできた。(高松)大樹さんがいるまでは2人で挟んでできていた。ただ、(失点シーンは)大樹さんが代わったあとの1本目だった」と悔やんだ。後半31分に高松がベンチに下がった直後のロングスロー。森重が必死にオーロイに体を寄せたが、対応し切れなかった。

 大熊清監督は「流れの中やCKでは(対策を)工夫していたが、手で投げる精度の高さにスピードもあった」と指摘し、森重も「CKよりロングスローの方が怖かった」と認める。高速ロングスローという“飛び道具”と、規格外の高さ。指揮官は「1点目は戦術というより……。それまでは耐えて、ずっとラインを高く保っていたが、あれはなかなか防ぎようがない」と脱帽するしかなかった。

(取材・文 西山紘平)

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