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決定力不足と焦りから自滅したF東京、古巣戦の谷澤も空回り

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[4.24 J2第8節 千葉3-0F東京 フクアリ]

 勝てる試合だった。シュート数は17本対13本。それ以上に決定機の数では明らかにFC東京が上回っていた。しかし、シュートはことごとく枠外。「決定力という言葉では片づけられないが……」。大熊清監督は苦虫をかみつぶしたような表情で試合を振り返った。

 右脛骨および腓骨骨折で長期離脱となったFW平山相太に代わり、今季から加入したFW高松大樹が1トップで移籍後初先発を果たした。昨季まで千葉に所属していたMF谷澤達也は両チーム最多のシュート5本を放ったが、あまりにもフィニッシュの精度を欠いた。

「前半からずっと(シュートに)アウト回転がかかっていた。後半も同じようになってしまって……」。後半11分にはDF椋原健太の右クロスを相手GKが弾き、ゴール正面から谷澤がシュート。決定的な形だったが、ゴール左に外してしまった。

「決めるところで決めないとこういう結果になる。自分で決められるところがあったし、残念です」。そう唇をかんだ谷澤は「古巣との一戦で力が入った? 結果的にそうなっちゃいました……」と声を落とした。

 試合の主導権を握りながら後半32分、ロングスロー1本で先制点を許した。“事故”のような失点だったが、これで自滅した。DF今野泰幸は「1点取られて、すごい焦ってしまった。シーズンの中で、先制される試合はこれからもある。アウェーで相手が勢い付いたとき、どうリズムを持ってくるかが大事。そこは修正しないといけない」と反省する。

「0-0のときは全然悪くなかった。チャンスをつくっていたし、1点取られたあとも我慢して我慢してやれば、追い付けたかもしれない。なのにあそこでガラリと変わってしまった」

 若い選手が多いことによる経験不足なのか。縦に急ぎすぎ、攻撃が単調になった。前がかりになって、その後も2失点。高松は「負けたのは悔しいけど、気持ちを切り替えてやりたい。いいところもあったし、シュートを正確に枠に飛ばすことが大事。チャンスはあったけど、もっと決定機を増やしてゴールにつなげたい」と自戒を込めて話していた。

(取材・文 西山紘平)

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