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0-2から……東京Vが水戸に逆転勝ちし、今季初の3連勝

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[6.29 J2第2節 東京V3-2水戸 味スタ]

 J2は29日、東日本大震災の影響で延期されていた第2節の1日目を各地で行った。味の素スタジアムでは東京ヴェルディ水戸ホーリーホックが対戦し、東京Vが3-2の逆転勝ちを収めた。前半のうちに水戸が2点を先行したが、ここ2戦9得点の攻撃陣が奮闘し白星をゲット、今季初の3連勝を果たした。水戸は今季初の連敗となった。

 東京Vは4-5-1を採用。メンバーは前節と同じでGKは柴崎貴広、DFラインは右から森勇介、土屋征夫、高橋祥平、和田拓也。ダブルボランチは小林祐希と佐伯直哉が組み、2列目は右から河野広貴、菊岡拓朗、マラニョンが入った。1トップは阿部拓馬が務めた。

 対する水戸は4-4-2を採用。右SBの岡田佑樹が出場停止のため、本来はMF小池純輝が回った。右MFにはルーキーの小澤司が5試合ぶりに先発した。GKは本間幸司、DFラインは右から小池、塩谷司、尾本敬、保崎淳。ダブルボランチは西岡謙太と村田翔が組み、2列目は右に小澤、左に島田祐輝が入った。2トップは常盤聡と岡本達也が組んだ。

 序盤から水戸が積極的なプレーでリズムを作った。前半2分、右SBの小池が右サイドからミドルシュート。その2分後には、左SBの保崎が攻め上がり、PA左からシュートを放った。いずれも決められなかったが、守備面でややチグハグだった東京Vの隙を突いて攻め込んだ。

 そして前半8分、水戸は一連の積極性が実った。左サイドでボールを受けた島田祐輝がPA左手前で左足を一閃。やや遠目だったが、弾丸ライナーでゴール右に突き刺した。島田の3試合ぶりの今季2点目は、敵地で大きな先制点となった。

 東京Vは連戦の疲れか、運動量が少なかった。守備面でいえばサイドに振られたときのスライドが遅く、またボール保持者へのプレスが甘いため、後手に。結果、攻撃も個人技任せと単調になった。そんな流れの中、前半15分に水戸が追加点を決めた。

 保崎が左サイドをドリブルで仕掛けて突進すると、PA左ライン近くで、森に倒されてFKを獲得。これをキッカーの村田が低く速いボールをニアに入れ、走り込んだ常盤聡が体ごと押し込んで2-0リードに導いた。

 東京Vは前半32分、早くも交代のカードを切る。守備面で背後を使われていた河野に代えてMF飯尾一慶を投入。1トップをマラニョン、右MFを菊岡、トップ下を阿部、左MFを飯尾に変更した。これがプラスに働き、守備面での組織力が上がった。ボールが良い位置で奪えるようになったことで、攻撃でもボールを支配する時間が増えた。

 そして前半39分、東京Vが1点を返した。ゴール前にボールを運びPA右でファールを受けてFKを獲得。これをキッカーの小林が左足で直接狙った。右上隅ギリギリと抜群のコースを突き、入りそうに見えたが、GK本間が何とか弾きだした。しかし、これに飯尾一慶が詰めて頭で押し込んだ。

 水戸は前半44分、ゴール前をうまく仕掛けて攻略。最後はPA左から村田が右に横パスを出し、これに小澤が走り込んだ。絶好機だったが、シュートはGK柴崎に防がれゴールはならず。前半は水戸の2-1で折り返した。

 後半、ともにメンバー交代なく開始した。立ち上がり、前半の勢いのままに東京Vが同点に成功した。右サイド、森がドリブルで仕掛けてPA右外から左足で絶妙クロス。これを阿部拓馬がファーサイドでヘディングシュートを放ちゴールネットを揺らした。阿部の2試合ぶり今季3得点目で、2-2と試合を振り出しに戻した。

 その後、一進一退の攻防が続き、水戸は後半14分、島田に代えてMF小幡純平を入れた。その1分後、好機が生まれる。ゴール前まで持ち込み、最後は常磐が正面から左足シュート。しかし、わずかに上に外れた。

 後半19分、東京Vが個人技の高さを発揮して逆転に成功した。左サイドでボールを持ったマラニョンが快足ドリブルでDFを抜き去り左足でクロス。低く速いボールに対し、菊岡拓朗が素早くゴール前に走り込んで押し込み、3-2逆転弾を決めた。

 東京Vは後半25分、マラニョンに代えてDF福田健介を投入。福田をボランチに入れて小林をトップ下へ、トップ下の阿部が再び1トップを務めた。対する水戸は前半のような運動量がなくなり、ボールを奪えなくなる。奪っても前への出足が遅れ、バイタルエリアを仕掛けられない。中盤の機動力を上げるべく、同31分、村田に代えてルーキーのMF鈴木将也を送り出した。鈴木はプロ初出場となった。

 後半33分、水戸がチャンスを作る。PA右から小澤のスルーパスに小幡が抜け出し右足シュート。1点ものだったが、不運にもGK柴崎の足に当たり、決めきれなかった。東京Vはその1分後、菊岡に代えてFW平繁龍一を投入した。

 水戸は後半36分、再びチャンスを迎える。PA左でパスを受けた小澤が左足でシュート。しかし、これはミートせず、ボールが中へこぼれた。運良くこれが小幡のもとへこぼれ、すぐさま左足でシュートを放ったが、上に外れてしまった。水戸は同38分、最後のカードを切る。西岡に代えてFW神村奨を送り出した。

 その後、水戸は必死に攻めたが、東京Vも集中を切らさずにゴールに鍵を掛ける。アディショナルタイムは3分。水戸はサイドを使って攻め込むが、ゴールは割れず。前半は苦しんだが、後半に盛り返した東京Vが3-2で、今季初の3連勝をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)

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