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田中が復活の2発!柏が川崎Fに逆転勝ち。川崎Fは2点先行も7連敗

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[8.28 J1第24節 柏3-2川崎F 柏]
 J1第24節の2日目が行われ、日立柏サッカー場では柏レイソル川崎フロンターレが対戦した。後半の立ち上がりに、川崎FがMF田坂祐介とFWジュニーニョのゴールで2-0と先行したが、柏はその後、FW工藤壮人、FW田中順也の2ゴールで3-2の逆転勝ちを掴んだ。川崎Fはチームワーストをさらに更新する7連敗となった。
 柏は4-4-2を採用。GKは桐畑和繁、DFラインは右から酒井宏樹、パク・ドンヒョク、近藤直也、橋本和。ダブルボランチは栗澤僚一と茨田陽生が組み、2列目は右にレアンドロ・ドミンゲス、左にジョルジ・ワグネルが入った。2トップは田中順也と工藤壮人が組んだ。
 対する川崎Fは4-4-2を採用。GKは相澤貴志、DFラインは右から實藤友紀、井川祐輔、菊地光将、田中雄大。ダブルボランチは中村憲剛と柴崎晃誠が組み、2列目は右に山瀬功治、左に田坂祐介が入った。2トップは矢島卓郎とジュニーニョが組んだ。
 クラブワースト6連敗中の川崎F。敵地とはいえ、もう負けられない中、立ち上がりから積極的な仕掛けを見せた。開始2分、左サイドでジュニーニョが受け、深い位置まで持ち込んで左足でクロスを入れた。これを中央で矢島がヘディングシュート。だが、少しだけボールが高かったこともあり、上に外れた。
 川崎Fは前半9分、右CKでチャンスを作る。憲剛がショートCKを選択し、ジュニーニョのリターンをクロス。ファーサイドで菊地が頭を合わせようとしたが、ジャストミートできずに左に外れた。その後も川崎Fが押し込む展開が続くが、バイタルエリアは崩せない。それではと前半20分、矢島がPA内左を強引にドリブル突進。相手のマークにあい倒れたが、これは矢島がわざと倒れたとしてイエローカードを受けた。
 柏はレアンドロにボールを集めそこから打開しようとしたが、高い位置でボールを奪えないため、バイタルエリアまで持ち込めない。また、相手のマークがタイトで、2トップに効果的なボールが入らず、前線でタメを作れない。それではと前半25分、酒井が右サイドから早めのクロスを入れたが、相手DFをかすめ、GK相澤にキャッチされた。
 前半37分、柏が決定機をつかんだ。中央の茨田から右サイドを駆け上がった酒井に絶妙のパスが通る。酒井はクロスを入れず、PA内右のレアンドロへ。司令塔は右足を振り抜くが、わずかに左に外れた。これをファーでワグネルが押し込もうとスライディングでしながら足を伸ばしたが、うまく合わせられなかった。
 前半の終盤、川崎Fの運動量が落ちたのか、それとも、柏がうまくプレスを交わし始めたのか、柏がボールをつなぐ時間が増えていった。そして前半45分、柏がビッグチャンスを作った。右サイドの酒井がアーリークロスを入れる。これに田中順也が走り込み、ファーサイドで少しジャンプしながら左足を合わてシュートを放ったが、上に外れた。前半はそのまま0-0で折り返した。
 後半、ともにメンバー変更なくスタートした。開始5分、川崎Fが待望の先制点を奪った。左サイドからのロングボールをPA正面で矢島が頭で落とし、これに田坂祐介が反応。右足で低く抑えたシュートを放ち、ゴール左に突き刺した。14試合ぶりの今季2得点目で1-0リードをもたらした。
 川崎Fは後半8分、前半の終盤に怪我をしたように見えた菊地に代えてDF伊藤宏樹を送り出した。状態が心配されるが、先制した勢いがこれをかき消す。後半9分と早い時間に追加点を奪った。中央やや柏陣内でジュニーニョにボールがつながり、エースはドリブル突進。PA手前まで突進すると、右足で低く鋭いシュートを放ち、ゴールネット左下に突き刺した。背番号「10」の7試合ぶり今季4得点目で2-0と突き放した。
 前節のG大阪戦に0-2で敗れた柏。今季はまだ1度も連敗がないだけに、このままでは終われない。後半13分に一気に2枚の交代カードを切った。栗澤に代えてMF大谷秀和を、ワグネルに代えてMF澤昌克を送り出した。
 そして後半16分、柏が1点を返した。早い展開から左サイドの橋本につなぎ、ゴール前に絶妙なクロス。これに工藤壮人が打点の高いヘディングシュート。若きストライカーが2試合ぶりの今季4得点目を決め、反撃の狼煙を上げた。
 川崎Fは後半20分、山瀬に代えてMF大島僚太を投入。田坂が右MFに回り、大島は左MFに入った。同26分、川崎Fがチャンスを作る。ジュニーニョが右サイドをドリブルで仕掛けてクロス。これに大島が走り込んで足を合わせたが、わずかに外れた。攻め込まれる時間が増えていた柏は同27分、パクに代えてDF増嶋竜也を投入した。
 ともに激しく攻守が切り替わる中、柏が同点に成功した。後半28分、センターサークル付近から茨田が前線に速めのロングボールを入れる。これにPA内左で田中順也が走り込み、トラップから得意の左足を一閃。豪快にゴールネットに突き刺した。11試合ぶりの9得点目を決め、2-2と試合を振り出しに戻した。
 これで柏が勢いに乗った。そして後半33分、逆転に成功した。左サイドで澤が粘ってフォローに来た橋本へ。橋本がPA左に絶妙なパスを通すと、これに田中順也が走り込んで突進。DFが寄せてきたが、中に切れ込んで右足を一閃。ゴール左下に突き刺し、3-2と逆転に導いた。田中はこれで10得点と二桁の大台にのせた。
 何としても7連敗は避けたい川崎Fは後半38分、スーパーサブを投入。田坂に代えて今季9得点のFW小林悠を入れた。同43分、川崎FはPA右でジュニーニョが粘り、大島がPA正面付近にいた柴崎へ。ミドルシュートも得意なボランチは右足シュートで狙ったが、GK桐畑のパンチングに阻まれてしまった。
 ロスタイムは4分。川崎Fはジュニーニョ、矢島、小林と前線のアタッカーにボールを入れる。後半46分、憲剛が右サイドに開いた小林に入れ、右足クロス。しかしこれは柏守備陣にクリアされた。同48分にはPA内で小林が右足シュート。これはDFにブロックされ、さらに同48分、憲剛の右クロスに井川がヘディングで合わせたが、わずかに外れた。
 柏も反撃。後半49分、カウンターからPA内左に工藤が突進し、右足シュート。絶好機だったが、GK相澤がパンチングし、そして右ポストをかすめて外れた。その直後、試合終了のホイッスル。ホームの柏が田中順也の2ゴールなどで3-2の勝利をつかんだ。川崎Fはワーストを更新する7連敗となった。
[写真]同点ゴールを決めた田中
(取材・文 近藤安弘)

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