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町田が新監督・新加入選手会見。アルディレス新監督「勝利より『いいサッカー』を優先する」

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 今季からJ2に昇格したFC町田ゼルビアは24日午後、町田市陸上競技場(野津田)で、オズワルド・アルディレス新監督と新加入選手6名、GK相澤貴志(←川崎F)、DF薗田淳(←川崎F)、MF戸田和幸(←草津)、MF庄司悦大(←専修大)、FW平本一樹(←東京V)、FW鈴木孝司(←法政大)の発表会見を行った。

 スタジアム問題を何とかクリアし、今年からJ2へと参戦する町田。首都東京で、大企業を母体としない“市民クラブ”がJリーグに挑戦する意味は大きなものといえるが、そんなチームの一番の目玉はアルディレス新監督だろう。日本ではかつて清水、横浜FM、東京Vで指揮を執り、清水では来日した1996年にナビスコ杯優勝。横浜FMを率いた2000年には第1ステージ優勝、2003年から指揮した東京Vでは2004年度の天皇杯優勝をもたらした、言わずと知れた名将。JFLから昇格したばかりのJ2クラブとしては、世間を驚かせる異例の招聘となった。

 クラブ側は、相馬直樹氏、ポポヴィッチ氏と続いた攻撃サッカーの継続とJリーグ定着の土台を作ること、そして若手選手の育成も託している。アルディレス監督は2008年限りでセロ・ポルテーニョ(パラグアイ)を退団し、近年はロンドンに滞在。現役時代に活躍し、英雄的立場となっているプレミアリーグのトッテナムで「大使のようなことをやってた」そうで、「今も一応そういう立場なので、町田からトットナムに送り込むことができたら(笑)」と明かしたが、現場への強い思いが、再び日本に来ることを決断させた。

「私はロンドンでスペインのサッカーを紹介したり、色々な活動をしていたが、やはり、現場に勝るものはないのです。我々『サッカー人間』にとって、まずはプレーすることが一番好きなこと。プレーできなくなると、次にサッカー人間ができるのは指導することです。指導することで(選手時代と)同じようにアドレナリンを放出することができる。だから私は迷わず、すぐにイエスと答えた」。唐井直ゼネラルマネージャーのオファーに、二つ返事で引き受けたことを明かした。

 目標については「できるだけ早くJ1に行きたいという気持ちも強く持っている」としつつ、「まずはJリーグに定着することだと思う。日本に限らないが、昇格したばかりのチームは、降格候補に挙げられてしまう。最初のステップはJ2に定着できるチームになること。それができればJ1という夢を見られる状況となり、実現もできるようになる」とまずはJ2でしっかりと土台を作ることを目標に掲げた。J2は今季から22チームとなり、JFLとの入れ替えも始まる。まずは最低目標としてJ2残留、そして注意、あわよくば10位以内を狙いたいところだ。

 6年半ぶりの日本復帰となる“オジー”だが、どういうサッカーをするのか気になるところ。指揮官は「清水や横浜FM、東京Vで見せたスタイルが、自分の個性です。いいプレーを見せなくても勝つことはできる。でも私は、勝利より『いいサッカー』を優先する。そのためには、相手チームよりキープ率が高くないといない。これは簡単なことでなく、選手たちがそれぞれ頭を使い、ピッチの中で個々の問題を解決しながらプレーしないと、可能にはならない。それがチャレンジですが、今年お見せしたいサッカーです。守備では、泥臭く努力してボールを奪い取りたい。でもボールを奪ったらドレスアップして、華麗なサッカーを見せる。それが私の考えです」と攻撃サッカーをすることを宣言した。

「日本に戻ることができて非常に嬉しい。日本は大好きで尊敬している国だからです。私にとって、これは大きなチャレンジ。日本に戻ってこれたことも嬉しいし、このチームでチャレンジできることを前向きに捉えている。選手たち一人一人に成長してもらえると信じているし、彼らの成長が町田ゼルビアの成長につながると思っている」。レベルが拮抗し、群雄割拠の状態となっているJ2で、果たしてどんなサッカーを見せるのか-。町田は旋風を巻き起こせるのか-。決して簡単なことではないが、ファンは“オジー・マジック”に期待している。


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