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FC東京・ポポヴィッチ監督「名古屋戦はテストで終わらせない」

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 笑顔が弾けた。17日にJリーグ第2節の名古屋グランパス戦を控えるFC東京は、14日に小平の練習場で走り込みを中心としたトレーニングを行った。

 100m走から始まったこの日のトレーニングで存在感を見せたのは、32歳のMF羽生直剛だった。「順番でそうなっただけです」と羽生は言うが、チームメイトが見守る中、最後まで走っていた。羽生が走り終えると拍手が沸き、FWルーカスが「ワカイネ!! 25歳!!」と言うなど、きついフィジカルトレーニング後にも笑顔が弾けていた。

 練習を終えてランコ・ポポヴィッチ監督は、『おじいちゃん』と呼ぶ、ベテランMFを称賛した。

「おじいちゃん(羽生)は、素晴らしい選手です。どんなときでも楽しみ、一生懸命に頑張っている。若い選手たちには彼を見て『自分たちも走らないといけない』ということを感じ取ってほしいですね。私は羽生、ルーカス、カジ(梶山)といった選手を『年を取った選手』ではなく、『経験の豊富な選手』と捉えています。彼らは最初のメニューから若手のように走っていました。私は選手たちに楽しむことを求めていますが、彼らはそれを実践してくれましたよね」

 練習の最後に組んだ円陣の中で、ポポヴィッチ監督は羽生に全員の前で「もう1セットやるか?」と声をかけた。羽生は、まだまだやれる! という感じで、その場で素走りをはじめたが、チームメイトからブーイングを受けると「僕はもう1セットいけますが、みんなが疲れているようなので、これで終わりにしましょう」と言って、チームメイトたちの笑いを誘った。

 17時からは、週末の名古屋戦の会場でもある、味の素スタジアムでトレーニングを行う。

「何人かの選手にとっては、味の素スタジアムは初めてプレーする場所です。今日はサポーターがいないでしょうから、少し試合当日とは雰囲気は違うと思います。それでも、ピッチの感触、照明、どんな空間か、そういうイメージをつかんでほしい」

 週末に対戦する名古屋については「リーグで最強のチーム」と警戒する。

「名古屋は素晴らしいチームです。ピクシー(ストイコビッチ)が監督に就任してから4年間、常に攻撃的なサッカーをして、毎年タイトル争いに絡んでいます。私たちにとって(名古屋戦)は、自分たちの力を計るいいテストになります。でも、テストだけでは終わらせるつもりはありませんよ。彼らに勝ちたい。もう練習試合ではありませんし、勝ち点のかかった試合ですからね。当日は多くのサポーターが来てくれるでしょう。スタジアムが満員になるかはわかりませんが、非常に重要な勝利をサポーターと一緒にあげたい。私たちが懸命に、情熱的にプレーすれば、サポーターは応援してくれるでしょう。その応援を受けると、今度は選手がさらに力を出せるはず。そういう良い関係で、より力を発揮して、勝利を挙げたいですね」

 楽しんでプレーできれば、選手たちの力がより引き出される。厳しい練習をも、楽しく、良い雰囲気の中でこなすF東京は、開幕連勝を目指す。

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