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公式戦3連敗のG大阪・倉田「自分たちのスタイルを信じる」

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[5.6 J1第10節 大宮1-0G大阪 NACK]

 困り果てた顔でガンバ大阪のMF倉田秋はポツリとつぶやいた。「なんなんですかね。どうやったら勝てるか分からない」。

 前半から大宮を押し込みながら、得点を挙げることができずに無得点のまま敗れた。昨季は無得点試合がわずか1試合だけだった。攻撃王と呼ばれ続けたチームは、前節の鹿島戦(0-5)に続き、早くも2試合目となる無得点試合を演じ、ACLの浦項戦(0-2)を含め公式戦3連敗を喫した。

 内容が悪かったわけでは、ない。「今シーズン、ここまでで一番流動的にできていたと思う。みんなが動いて、スペースに走ってという動きはできていたと思う。あとはゴール前の決定力。精度を上げていければ点は取れると思う」と倉田も言うように、ボールを保持して大宮ゴールに迫った。しかし、得点を挙げることはできなかった。「クロスの精度も足りなかったと思いますが、シュートの本数もそれほど打てていないと思います。綺麗に取りに行こうとしすぎた。もっと強引に取りに行くことも必要だった」と倉田は話す。実際、強引に得点を狙いに行く場面は少なく、ポゼッションでは大宮を圧倒しながらも、シュート数は12対9と大宮を下回った。

 倉田が特に悔やんだのは前半15分の場面だ。MF遠藤保仁の折り返しに合わせたが、シュートをクロスバーに当ててしまった。「あれを自分が決めることができたら、流れは全然、違っていたと思う。どれだけボールに気持ちを込められたか、だった。向こうの方が、気持ちがデカかったんだと思う」と倉田は唇を噛む。先制できていれば、チームはより思い切ったプレーができていた可能性は高い。大宮も同点ゴールを狙いに前に出て、攻め込むスペースもできただろう。それだけに先制点を挙げるチャンスを逃したことは、大きな悔いとなった。

 この試合、松波正信監督は、初めて日本人2トップを採用した。ポストプレーの佐藤晃大、周囲を流動的に動く阿部浩之と役割も明確だった。背後でプレーした倉田自身もやりやすさを感じていたという。

「阿部(浩之)ちゃんが(スタメンに)入って、良いサッカーができたと思う。昨年のセレッソ大阪のときに似ていたというか。4-4-2でスタートしましたが、阿部ちゃんもそんなに前で張っていなかったので、3シャドーのような形になっていたので、セレッソのやり方に近くてやりやすかった。お互いの特徴も分かっているし、もう少し一緒のメンバーで合わせていけたらいいのかなと思う」。

 結果が出ない中でも、ブレることなく、自分たちの戦い方を続けていくことの必要性を倉田は語る。「やっていながらも、勝てそうだなっていう手応えはある。それなのに、何で点が取れないんだろうって。でも、自分たちのスタイルを信じてやっていきたい」。公式戦3試合連続で無得点と暗中模索が続くG大阪は、本来の姿を取り戻すことはできるだろうか。

(取材・文 河合 拓)

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