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古巣から1得点のマルシオ・リシャルデス「気持ち良かった」

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[5.12 J1第11節 浦和1-1新潟 埼玉]

 前半11分だった。左サイドをDF槙野智章が突破する。折り返したボールがGKに当たり、こぼれたところを、ゴール前に走り込んだMFマルシオ・リシャルデスは逃さなかった。2得点を挙げた名古屋戦(2-1)以来、3試合ぶりに得点を挙げた浦和レッズのマルシオは「練習でやっているようなコンビネーションができた。僕のゴールというより、チームのハードワークが上手くいったことが嬉しい」と先制点を振り返った。

 10年まで所属していた古巣・新潟から挙げた初ゴールだ。そのことについては「うまく説明できませんね。Jリーグの試合はどれも大事な試合だと思っています」と前置きしてから「それでも、正直に言うと、気持ちが良いです」と笑顔を見せた。

 とはいえ、喜んでばかりもいられない。前半から多くの決定機をつくりながら、勝ち切れなかったからだ。「あと少しで勝てた。前半で試合を決められたはずだった」とマルシオが言えば、1トップを務めたFW原口元気も「最悪でも前半は1-0、普通にやれば2-0で終えられた」と同調する。決定機を生かせずに、セットプレーから同点に追いつかれると、後半は守備を固めた新潟を崩せないまま、1-1で引き分けた。

「落ち着いてボールを回すことができたら、違う結果が出ていたと思う。次の試合に活かさないといけないし、この試合で学んでいきたい」とマルシオは振り返る。後半34分、MF宇賀神友弥の折り返しから決定機を得た原口も「少しボールがマイナスに来たので、持ち直して打ったのですが、今はダイレクトで打った方が良かったかなと思います。ああいうところで決められるかどうかで、勝ち点1が勝ち点3になったと思う」と唇を噛んだ。

 引いてきた相手を、どう崩すか。ポゼッションを高める浦和にとって、今後も課題になる。「時間帯によっては良い流れができていました。90分間、コンスタントに出せていないことが課題です。それができれば、もっと良くなるし、まだまだわれわれはプロセス(過程)の段階です」とミハイロ・ペトロヴィッチ監督は語る。勝ち点1に満足している者は、一人もいない。そして順位表では一歩後退したが、「正しい道を進んでいることは確か」と言い切るマルシオを筆頭に、下を向いている者も一人もいなかった。

(取材・文 河合 拓)

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