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恩師の「最高の笑顔」のために、優勝を期する浦和DF槙野

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「今までも(ペトロヴィッチ監督の)たくさん笑顔を見てきましたけど、最高の笑顔は優勝だと思うので」。ナビスコ杯決勝前日の1日に行われた公式練習後の取材対応で、浦和レッズのDF槙野智章は恩師に捧ぐ“J1初タイトル”を誓った。

 06年に広島でプロデビューを飾った槙野。その年の6月、シーズン途中で広島の監督に就任したのが、ペトロヴィッチ監督だった。その後、J2降格、J1昇格といった苦楽をともにする間に、ショートパスを主体とした攻撃サッカーは浸透していく。チームの上昇とともに槙野自身も日本代表に選出されるなど成長を示し、11年にはドイツのケルンへと移籍した。その後、12年途中からJリーグに復帰。移籍先は古巣・広島ではなく、ペトロヴィッチ監督率いる浦和を選択するほど、恩師への想いは強い。

 槙野がペトロヴィッチ監督の下でナビスコ杯決勝を戦うのは2回目。広島時代の10年に、磐田とのファイナルに臨んだが、史上稀に見る死闘となった一戦は、延長戦の末に3-5で敗れた。槙野は直接FKから1得点を奪ったものの、初のタイトルを目前にして涙を飲んでおり、「ナビスコ決勝」に懸ける想いは並々ならぬものがある。

 公式練習は、決勝の会場となる国立競技場で両チームが60分ずつ行った。「僕たちは常にオープンだから」と槙野が言う浦和は、11時45分からのすべてを報道陣に公開したのに対し、14時から行われる柏は冒頭の15分のみで残りの45分は非公開とする予定だ。「特別なことはやってこないと思いますよ」と槙野は意に介さない。逆に「向こうのほうが警戒している」と強気な姿勢を見せた。

「明日は(タイトルを)獲れるでしょう!!」と報道陣に笑顔を見せた槙野。決勝戦の前哨戦となったJ1第30節では、浦和が2-1で勝利。この試合では槙野が高い位置を取り、柏の右サイドを混乱に陥れた。明日の決勝でも、柏の右サイド深い位置で背番号「5」がボールを持つシーンが増えれば、浦和の優勝はグッと近づくはずだ。

(取材・文 奥山典幸)

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