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清水、残った! 原一樹の決勝弾で浦和に勝利

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[5.30 ナビスコ杯GL第5節 浦和0-1清水 埼玉]

 ナビスコ杯グループリーグ第5節2日目が30日に各地で行われ、埼玉スタジアム2002では、B組4位の浦和レッズと同5位の清水エスパルスが対戦した。試合は両軍ともにチャンスがありながら決定力不足に陥っていたが、清水は後半42分に途中出場のFW原一樹が決勝弾を決めて1-0勝利。勝ち点を8に伸ばし2位に浮上した。

 浦和は4-5-1システムを採用。GKは加藤順大、DFラインは右からサヌ、山田暢久、スピラノビッチ、宇賀神友弥。中盤はボランチに細貝萌と堀之内聖が入り、2列目は右からポンテ、柏木陽介、田中達也が務めた。1トップはエジミウソンが配置された。

 対する清水は4-3-3システムを採用。GKは西部洋平、DFラインは右から辻尾真二、岩下敬輔、平岡康裕、太田宏介。中盤はアンカーが本田拓也で2列目は兵働昭弘と小野伸二が務めた。3トップはヨンセンを中央に右に藤本淳吾、左に永井雄一郎が入った。

 立ち上がり、浦和は速いサイド攻撃、清水は小野のパスを起点に攻める。開始3分、清水は小野の左CKから岩下がヘディングシュート。これはわずかに右に外れる。浦和は同8分、右クロスを中央で頭で落とし、最後は柏木が右足でシュート。これは左に外れた。

 前半も中盤に差し掛かると、浦和がリズムをつかむ。同17分、宇賀神が左サイドを突破してクロス。エジミウソンがヘディングシュートしたが、決めることはできなかった。宇賀神のサイド攻撃は、清水に脅威を与えた。前半24分にも再び左サイドからクロス。このこぼれ球を細貝がシュート。だがわずかに外で、左ポストに弾かれた。

 浦和の方がやや試合を支配していた中、アクシデントが起きた。前半34分、ハイボールの競り合いで田中達也が負傷。足を痛めたようで、そのまま担架で外に運ばれ、同36分にFWエスクデロ・セルヒオと緊急交代した。

 前半38分、浦和はエスクデロが仕掛けてシュートを放つが、惜しくも右ポストに当たり決まらなかった。同40分、浦和・宇賀神と清水・小野がにらみ合いを展開。だがすぐさま周囲が止めに入りおさまった。とはいえ、ファールの判定をめぐって浦和のフォルカー・フィンケ監督が再三、苛立ちを見せており、不穏な雰囲気が流れた。前半は0-0で折り返したが、引き上げる審判団にフィンケ監督が詰め寄る場面があった。

 後半、ともに激しくプレスを掛け合い、一進一退の攻防が続く。前半同様、浦和はサイドからの早い攻め、清水は小野のパスとヨンセンのキープを生かして試合を作った。後半10分、浦和が左サイドから攻め込む。宇賀神、エスクデロとつなぎ、最後はPA内左に入り込んだ柏木が左足でシュート。しかしこれはGK西部にセーブされた。

 後半21分、清水は兵働に代えて山本真希を投入。中盤に入れて運動量アップを狙った。その山本は同25分、中央から約22mの左足ミドル。低く抑えたが、パワーが足りずGK加藤にセーブされた。

 浦和は後半26分、柏木とエスクデロのコンビネーションで仕掛け、最後はPA内右に柏木が侵入。しかしシュートを打ち切れず、得点にはつながらなかった。

 予選突破に向け、何としても勝ちたい清水。後半32分に絶好機を迎える。PA右からヨンセンがクロス。これをフリーで走り込んだ山本真希がヘディングシュートしたが、わずかに上に外れた。清水はその1分後、同時に2枚のカードを切った。永井に代えてFW原一樹、本田に代えて大前元紀を投入した。対する浦和は後半36分、堀之内に代えてMF鈴木啓太を入れた。

 清水は後半37分、左サイドからのクロスにヨンセンが頭一つ抜け出しヘディングシュート。しかし、クロスバーに弾かれた。その1分後、浦和がカウンター。ポンテがスルーパスに抜け出すがオフサイドを取られた。

 4位とはいえ、勝ち点を見ると2位の浦和は、決勝T進出を優位に進めるために勝ち点3がほしいところ。後半41分、宇賀神に代えて原口元気を投入。攻撃力を高めた。しかし、清水がここで貴重なゴールを奪った。

 後半42分、右サイドから辻尾が仕掛けてクロス。これを原一樹が頭で合わせて1-0とリードを奪った。浦和が破られたサイドは、宇賀神を下げて細貝を配置したばかりだったけに、悔やまれる失点となった。

 ロスタイムは4分。浦和は必死に攻めるが、清水が体を張って守る。浦和の願いは届くのか。だが、清水が逃げ切りに成功。清水が勝ち点を8に伸ばし、2位に浮上した。一方の浦和は勝ち点は7のままで5位に後退した。

<写真>決勝点を決めた清水FW原
(取材・文 近藤安弘)

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