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鹿島JYが21年ぶり制覇! 篠原義貴監督「彼らが自分たちで選択して力を発揮してくれたので、それが本当に嬉しかった」

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鹿島アントラーズジュニアユースが死闘を制した

[12.27 高円宮杯U-15決勝 鹿島JY 3-2 大宮U15 味フィ西]

 鹿島アントラーズジュニアユースが中学年代の真の日本一に輝いた。大宮アルディージャU15との延長死闘を制しての歓喜。囲み取材に応じた篠原義貴監督は、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。

 25日に行われた準決勝のサガン鳥栖U-15戦を7発完封勝利で突破した鹿島JY。しかし、21年ぶりのタイトルがかかったファイナルは、「少し硬さがあった」と試合の入りに緊張が見られたという。

 鹿島JYは、立ち上がりの押し込まれた時間帯を無失点に抑えると、前半7分に左サイドのコーナーキックから、MF小笠原央が蹴り込んだボールがオウンゴールを誘う。今大会ここまで1失点のみの大宮U15の鉄壁を破った。それでも、その後は自慢の攻撃陣が沈黙。前半17分にコーナーキックから同点を許すと、1-1のまま後半へと折り返した。

「前半は硬くてボールが動かなかったので、どうやってボールを持って自分たちの時間を作ろうかと考えていた。『もう少しこういうところが空いてるよ』と少しだけアドバイスをして、あとは彼らに任せた。彼らがやることをやってくれた」

 篠原監督のアドバイスで息を吹き返した鹿島JYは、前線の4枚が準決勝でも見せた流動的なポジションチェンジで大宮U15の守備陣を翻弄。後半2分にMF平島大悟が豪快に決めると、再び試合を振り出しに戻されたが、2-2で突入した延長前半7分に平島がエースの意地を見せ、強烈なボレーシュートを叩き込んだ。

「彼(平島)はサッカーをよく理解しているし、相手の嫌なところを突くのが非常にうまい選手。後半に向けて少し修正点があったので彼に伝えたが、それがしっかりと伝わって、彼なりにアレンジしてゴールが生まれた。本当に良い選手だと率直に思う」

 鹿島JYは3-2で逃げ切って、2002年大会以来となる2度目の優勝。指揮官はこの1年を「『こうやって動こうね』といったチーム戦術は基本的にやっていないので、個人のところを伸ばしてきた結果が、今回のタイトルに繋がった」と振り返る。その上で、「試合は良いところ悪いところあったが、彼らが精一杯自分たちで選択して力を発揮してくれたので、それが本当に嬉しかった」と選手たちの成長をかみ締めた。

(取材・文 成田敏彬)
成田敏彬
Text by 成田敏彬

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