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[ぎふ清流国体]2年ぶりV目指す「首都・東京」、難敵・島根に逆転勝ち!:少年男子1回戦

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[9.30 岐阜国体少年男子1回戦 東京2-1島根 古川WB]

 第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」サッカー競技が30日に開幕し、16歳以下のチームで争われる少年男子は1回戦を行なった。10年大会優勝の東京都と島根県との一戦は、東京がFW下田悠哉(三菱養和SCユース、1年)の決勝ゴールによって2-1で逆転勝ちした。東京は10月1日の2回戦で福岡県と対戦する。

「立ち上げの時から、上手くいかない時に『切れずに、焦れずにどう対応できるかがカギ』という話をしてきた。先制されることもあるということは織り込み済みでした」と東京の秋庭武彦監督(三菱養和SC)は説明する。前半を1点ビハインドで折り返した東京だったが、冷静さを保って後半の2発で試合をひっくり返した。

 キャプテンマークを巻いたMF平野佑一(國學院久我山高、2年)と10番のMF安在達弥(東京Vユース、1年)を中心にショートパスでボールを動かす東京は前半12分、安在から左サイドを駆け上がったSB田宮碧人(F東京U-18、1年)がパスを受け、中央へラストパス。フリーの下田が決定機を迎えるが、シュートは島根GK妻鹿寛史(立正大淞南、1年)が右手ワンハンドでビッグセーブ。東京は16分にも右FKのこぼれ球を拾ったFW室町仁紀(東京Vユース、1年)がつなぎ、中央でDFを外した下田が決定的な左足シュートを放った。だが17分にMF渡辺悠雅(横河武蔵野FCユース、1年)の右CKからCB大西拓真(1年、F東京U-18)が放ったヘディングシュートがクロスバーを叩き、再三右サイドからチャンスをつくるSB山岸瑠(F東京U-18、1年)のクロスも得点に結びつけることができない。

 一方の島根は今夏の全国高校総体優秀選手の左SB高橋壮也(2年)ら先発11人のうち、10人が立正大淞南高の選手。GK妻鹿の好守に加え、意思疎通の取れたコンパクトな守りで相手のミスを誘うと、テクニックに優れたMF中島隆司やMF平山翔(ともに立正大淞南、1年)らの鋭いドリブルや縦パスで東京DFに圧力をかけていく。
 
 そして23分、島根はまるで日本代表がW杯アジア最終予選イラク戦で決めたようなスローインからのトリックプレーで先制点を奪った。鋭い動き出しからディフェンスラインの背後へ飛び出したFW宮森信吾(立正大淞南、1年)へ高橋が左スローインを投じると、タッチライン際を攻略した宮森が中央へラストパス。ファーサイドから走りこんだMF石丸正太郎(立正大淞南、1年)が右足で先制ゴールを決めた。

 だが東京は後半4分、右クロスが相手DFのオウンゴールを誘って同点に追いつく。この後、後半開始から投入されたイタリア系のFWディサロ燦シルヴァーノ(三菱養和SCユース、1年)が個人技で何度も相手ディフェンスラインをブレイクし、山岸と渡辺のコンビで決定機をつくり出すなど、相手のディフェンスラインを押し下げた東京は20分、ディサロのスルーパスで左サイドをえぐった安在が中央へラストパス。このこぼれ球を「ゴール前が空いていたので、冷静に流し込んだ」という下田が左足で決勝ゴールを決めた。

 東京Vユース、F東京U-18、三菱養和SCユースなど国内トップレベルのクラブユースチームから選出されている首都・東京の代表は今年も技術力の高い選手が揃う。下田は「この大会は優勝するために来ている。優勝すれば(東京のサッカーを)盛り上げることができる」と意気込む。来年は開催地となる東京にタイトルをもたらすか。冷静さを失わずに難敵からの白星を手繰り寄せたチームは、ややミスも多かったこの日の反省を活かしてあす、8強入りに挑戦する。

[写真]後半20分、東京は下田が決勝ゴール 
(取材・文 吉田太郎)

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