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[ぎふ清流国体]左SB阿部が劇的V弾!大阪府が静岡県下して3位に:少年男子

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[10.4岐阜国体少年男子3位決定戦 大阪2-1静岡 飛騨古川WB]

 第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」サッカー競技少年男子の部は4日、決勝と3位決定戦を行い、3位決定戦では大阪府が左SB阿部勇輝(G大阪ユース、1年)の決勝ゴールによって2-1で勝利。3位で大会を終えた。

 劇的な一撃で接戦に幕を閉じた。1-1の後半34分、大阪は左サイドでボールを持ったMF阪本将基(C大阪U-18、1年)がディフェンスラインのギャップを突くスルーパス。これでゴールラインまでえぐったMF山崎拓海(G大阪ユース、1年)がクロスするようにPAでへ飛び込んできた背番号2へ折り返すと、阿部がゴール右上隅へ右足シュートを突き刺した。

「ミートしたのは覚えているけど、あとは飛んじゃいました。みんなの反応で入ったと分かった」という阿部を先頭に大阪イレブンが興奮を表現しながらバックスタンドへ向けて走っていく。この1点を守って3位の座についた大阪は表彰式後、大会のマスコットキャラクター、「ミナモ」を中心に勝利の儀式「ワニナレナニワ」を披露して再び喜びを爆発させていた。

 5大会連続の4強入りを果たしながら、目標の初優勝には手が届かなかった。それでも主将を務めたCB前谷崇博(G大阪ユース、1年)は「昨年も準決勝で負けていた。大阪のサッカーはやっぱり走ること。気持ちで走り勝とうと言っていた」。ただ、立ち上がりはその気迫がやや空回り。7分には静岡MF望月大(清水ユース、1年)のドリブル突破を起点に、MF小谷春日(藤枝東高、1年)にPA侵入を許してしまう。これは飛び出したGK齋藤和希(C大阪U-18、1年)が阻止したものの、こぼれ球をFW加藤豪(磐田U-18、1年)に先制ゴールを押し込まれてしまった。

 この後もMF上原力也(磐田U-18、1年)からの1本のパスで望月に背後を取られるなどピンチがあった大阪。だが26分、ゴールエリアへ放り込まれた山崎の左CKを前谷が打点の高いヘディングシュートでゴールへ突き刺して同点に追いつく。これで流れを引き寄せた大阪は山崎とMF嫁阪翔太(G大阪ユース、1年)が絶妙なポジショニングと精度の高いボールコントロールでバイタルエリアを支配。決定機の数も増やした大阪は28分、右サイドでDFを剥がしたMF高田和弥(G大阪ユース、1年)がドリブルでPAへ侵入し、31分には右クロスからFW妹尾直哉(G大阪ユース、1年)が決定的なヘディングシュートを放った。

 やや攻撃の精度を欠いていた静岡だがそれでもチャンスをつくってくる。ただ後半12分、上原の右FKをMF森主麗司(清水ユース、1年)がドンピシャのタイミングで合わせるがGK正面。16分にもカウンターから望月が右足シュートへ持ち込んだが、際立った守備能力の高さを見せる前谷らが守る大阪ゴールを破ることができない。一方の大阪は31分にMF江郷下奨(東海大仰星高、1年)の縦パスから平尾が右足を振りぬいたが枠を捉えることができなかった。

 終盤はともに攻め急いでしまっている感があったが、その中で大阪は終了間際に左サイドを崩し、ディフェンスラインからPAまで走り切った背番号2のファインゴールで熱戦に終止符を打った。

 前日、兵庫県との準決勝で後半ロスタイムに追いつきながらもPK戦で敗退となった大阪だが、切り替えて勝者として大会を終えた。来年は悲願の初Vへ再挑戦することとなる。坂元博晃監督(高槻北高)は「ボールを動かすけれど崩すところができていなかった。もうちょっと試合の中で崩すところを求めたい」。また「大阪は攻撃主体になりがちで簡単に失点することが多い」と課題を指摘し、大事な場面でしたたかにパワーをかけてくる静岡県や関東のチームを上回る質を求めていくことの必要性も口にしていた。来年はライバルとなる関東勢や静岡、そして今回PK戦で敗れた兵庫を上回るサッカーを展開して日本一へ。主将の前谷は「(今回、U-17W杯アジア予選に参加した)代表とかが抜けてチームは団結した。いいチームだった。来年はメンツもいるし絶対に優勝してくれるはず」と後輩たちに期待を寄せていた。
 
(取材・文 吉田太郎)
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