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[国体少年男子]“代役”から“主役の一人”に広島県MF堤が決勝でも躍動、先制アシスト

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(写真協力 高校サッカー年鑑)

[10.6 国体少年男子決勝 大阪府 1-2 広島県 遠野運動公園陸上競技場]
  
 広島県の中盤では注目ボランチMF松本大弥(広島ユース、1年)がこの日も攻守において優勝に貢献する働き。加えて、その隣でコンビを組んだ167cmのMFが同等以上の存在感を放った。MF堤太一(広島皆実高1年)は準決勝から先発メンバーに。「出れない人の気持ちとかも理解していたので、その人の分も動こうとしていました」というMFはその準決勝で躍動すると、決勝でも推進力ある攻守、セカンドボールの回収、落ち着いたゲームメークの部分でも非常に貢献度高いプレーをしていた。
 
 そして前半26分には左中間でボールを持ったMF東俊希(広島ユース、1年)を追い越してパスを受けると、一気にエンドラインまで切れ込んでクロス。これをMF大堀亮之介(広島ユース、1年)が頭で押し込み、先制点となった。「俊希がボールもった時にサイド空いていて、ボクが上がっていけば2-1の状況をつくれる。チャンスになると思ったので行きました」。長い距離をスプリントして攻め上がり、「風のお陰でいい感じになりました」というクロス含めて背番号5のビッグプレーが広島にリードをもたらした。

 堤の背負った背番号5は当初、MF桂陸人(広島ユース、1年)が登録されていた。だが、桂がAFC U-16選手権を戦うU-16日本代表に選出されたため、代わって堤が登録された。いわば、追加招集された選手だ。それでも「選ばれたことに関しては嬉しかったし、学べることがいっぱいあると思ったので自分の中で精一杯やろうと思いました」というMFは、相手の間を見つけてボールを受けることや、得意としているルーズボールを拾う部分など良さを出すことでチームに順応。岩成智和監督(広島ユース)も「彼のいいところは落ち着いているところ。プレッシャーを受けていても、それを感じないでプレーできる」と説明するMFはその技術レベルの高さも合わせて、堂々のプレーで広島のレベルをまた引き上げた。

「全国のトップレベルの中でこういう緊張の中での試合も体験できたし、自分もそこで自分のプレーができたことは収穫だと思います。今後はチームに帰って選手権があるので、それを目指して頑張りたい」。“代役”から“主役の一人”に上り詰めたMFがまた新たな目標に精一杯チャレンジする。
 
(取材・文 吉田太郎)
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