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[MOM4017]東京都GK大橋藍(帝京、1年)_メンバー入り、そして先発の座をつかんで…攻撃的GKが持ち味発揮

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東京都GK大橋藍(帝京高=FC東京U-15深川)

[10.3 国体少年男子2回戦 愛知県 0-2 東京都 益子町運動公園陸上競技場]

 ミニ国体を戦った16人メンバーから、MF佐藤龍之介(FC東京U-18)ら4名がAFC U17アジアカップ2023予選のメンバーに選出。怪我で戦列を離れた選手も含めて、大幅に顔触れが変わった状態で本国体に挑むことになった東京都だが、兵庫県を2-1で下した1回戦に続き、愛知県との2回戦も2-0で勝利。小野寺章監督は、「16人全員が粘り強く戦ってくれた結果が出ました。ミニ国体からメンバーが大幅に変わっても、質を落とさないで頑張ってくれている」と選手を称えた。

 2回戦で勝利に貢献したのは、ゴールマウスを託されたGK大橋藍(帝京高=FC東京U-15深川)。今年のチームが立ち上がった当初から国体の活動に参加していたが、ミニ国体はメンバー外。だが、守護神のGK後藤亘(FC東京U-18)がU-16日本代表に選ばれたのに伴い、本国体直前のトレセンリーグで招集されると、後半から出場。PK戦で相手のキックをストップし、メンバー入りを掴み取った。

 1回戦は、早生まれのGK山本琉聖(大成高=プログレッソTCF稲城)が出場したため、2回戦が初めての出番。「今大会初めて出場させて貰ったので、前半は緊張というか、試合に慣れていなかった。繋ぐ意識が強かったけど、ボールが入ったら慌ててしまった」と振り返るが、時間の経過とともに本調子を取り戻し、前方へのロングフィードを効果的に入れられるようになった。本職の守備でも、ハイボールに思い切って出て行き、プレーの自信を掴んでいく。

 チームは前半10分にDF楠本達彦(三菱養和SCユース=三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)のフィードから、FW庄司啓太郎(横浜FCユース=横浜FCジュニアユース)が豪快に決めて先制に成功。33分にはゴール前にこぼれたボールをMF知久陽輝(川崎フロンターレU-18=川崎フロンターレU-15)が決めて、2-0で前半を終えたが、後半は攻勢を強めた愛知県に押し込まれる展開が続いた。サイドからクロスを上げられる場面も多かったが、前半に手応えを掴んだ大橋は積極的にクロスにチャレンジし、相手に決定機を与えない。

「本当に明るい性格で、シュートストップで前に出られる。気持ちから前に出ていける攻撃的なGK」(小野寺章監督)なのも彼の持ち味。DF裏に抜け出されそうになった場面では思い切りよく前に出て、シュートを打たせず、勝利に貢献した。

 東京都のメンバーを入れ替わる形となった後藤はFC東京U-15深川時代のチームメイト。1つのポジションを争うライバルでありながら、「仲が良かったので、色んなことを指摘し合いながら、お互いに成長できました」。GKとしては小柄な177cmながら、ハイボールに自信を見せる大橋が、「身長がなくても自分がハイボールに行けるんだから、190cmもある亘なら絶対に行ける」と後藤を励ましてきた。反対にロングキックを得意とする後藤が、大橋に蹴り方を教えることも多かったという。

 U-18への昇格を果たせず、進学した帝京には1学年上にインターハイの優秀選手に選ばれたGK川瀬隼慎(2年)がいる。スタメン奪取の壁は高いが、負けるつもりはない。「川瀬君の存在はめちゃくちゃ刺激になります。川瀬君が定位置を掴んでいますが、1年生からスタメンが取れたら大きい。選手権も出られたら自分の経験になるので、スタメンを獲って優勝したいです」。

 インターハイは決勝まで進みながら、0-1で破れ準優勝に終わった。ベンチで先輩たちの奮闘を見届けた大橋は、「決勝は負けるような試合ではなく、決められる所で決めたら勝てる試合だった。目の前に優勝があったのに準優勝で終わるのは悔しい」と振り返る。今大会は日本一を狙える今年2度目のチャンス。今度こそは歓喜の瞬間を迎えられるよう最後尾で奮闘を続ける。

(取材・文 森田将義)
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