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[国体少年男子]強力2トップ中心に「強い千葉」日本一まであと1勝

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[10.5 山口国体少年男子準決勝 千葉4-1広島 おのだサッカー交流公園]

 第66回国民体育大会「おいでませ!山口国体」サッカー競技少年男子は5日、山口県のおのだサッカー交流公園サッカー場で準決勝を行い、千葉と広島との一戦は千葉が4-1で勝利。千葉は6日の決勝で、通算8回目の優勝を懸けて静岡と戦う。

「(千葉の)力でウチの力が消されてしまった」。広島の山崎真監督(広島ユース)は完敗を認めていたが、加えて語っていたのは「走り切ることができなかった」ということ。常に主導権を握っていた千葉は相手にハードワークさせることなく、巧みにいなし続けていた。結果、広島は体力のリミッターを残したまま、敗戦のときを迎えてしまう。

 また千葉は相手の攻撃が中央に偏っていると分析すると、前半つかみきれていなかった相手のトップ下にSBをつけてケア。広島は0-1の前半25分にMF川辺駿(広島ユース)が後方へ流したヘディングからディフェンスのギャップを突いて抜け出したFW越智大和が同点ゴールを決めていたが、蓋をされた後半は川辺の個人技を除くとほとんど攻め手を失ってしまっていた。

 広島の良さを消した千葉は{{宮澤弘
(柏U-18)と森永卓(流通経済大柏)の強力2トップが相手ディフェンス陣を凌駕する。小柄な2選手だが、ピッチで放つ存在感、そしてこの日出した結果は十分。前半1分、宮澤のラストパスで抜け出した森永が先制ゴールを決めると、1-1の前半35分には森永とのワンツーで右サイドを抜け出した宮澤がそのまま右足シュートを打ち込む。角度のほとんどない位置から放ったシュートはDFが足を出して弾いたものの、勢いの衰えなかった一撃はそのままゴールへと吸い込まれた。

 切り替えの速さとハードワーク、そしてキープ力も兼ね備えた森永はチームにとって欠かせない存在。視察に訪れていた関係者たちが「あの子は絶対に外しちゃダメだ」と攻守両面で見せる高評価していた。また宮澤はマーカーを簡単に外してボールを受けると、そこから決定的な一撃を見舞ってくる。森永は「自分がパスを出して相方が決めてくれる。得点力があると思います。どっちも小さいですけど負けないです」と語っていたが、広島はこのキーマンたち、特に宮澤を抑えることができず、苦しい状況へと追い込まれた。

 そして後半28分、千葉はMF秋山陽介(流通経済大柏)がPAの宮澤へパスを送ると、そのキープから秋山が中央へラストパス。これを宮澤が右足で決めて勝負を決定付けた。ロスタイムには右サイドを抜け出したMF矢埜翔平(流通経済大柏)の丁寧なラストパスから交代出場のFW石田雅俊(市立船橋)がダメ押し。千葉は実力派同士の注目対決を4発で制した。

 千葉の石渡靖之監督(船橋市教)は「攻守の切り替えが早く、アグレッシブな、千葉のいいサッカーができている」。日本一まであと1勝。今大会トップタイの5得点を決めている宮澤は「自分が決めるよりもみんなで決める。とにかく優勝したい」。前線から小林大地主将(流通経済大柏)中心の中盤、そして桜井将司(流通経済大柏)と磐瀬剛(市立船橋)のCBコンビ、GK佐々木祐紀(習志野)まで含めて隙のないサッカーを演じている「強い千葉」が、決勝で静岡を圧倒して今大会の頂点に立つ。

[写真]後半28分、千葉FW宮澤(左)のゴールを喜ぶ小林(中央)と森永
(取材・文 吉田太郎)

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