2012年度第36回総理大臣杯全日本大学トーナメント
[7.14 総理大臣杯準決勝 専修大6-0駒澤大 金鳥スタ]

　夏の大学日本一を競う第36回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントは14日にキンチョウスタジアムで準決勝を行い、第1試合ではインカレ(全日本大学サッカー選手権)王者の専修大(関東7)が6-0で駒澤大(関東5)を下した。昨季、圧倒的な攻撃力で関東リーグ1部とインカレを制した専大は、初出場ながら優勝候補。序盤から試合を優位に進め、FW仲川輝人(2年=川崎F U-18)の2得点で前半を折り返すと、後半25分に退場者を出した駒大を相手に攻め手を緩めず、次々にゴールを奪った。

　専大は序盤、ショートパスによるボールポゼッションからサイドのオープンスペースを使って敵陣へ押し込んだ。17分、MF長澤和輝(3年=八千代高)が左サイドからゴール前へパスを送ると、MF河津良一(2年=作陽高)が相手をスクリーンしながらポストプレー。フリーでゴール前へランニングした仲川がゴールへ蹴り込み、先制点を挙げた。

　さらに29分には速攻で左サイドを崩した。相手CKをキャッチした1年生GK福島春樹(静岡学園高)が敵陣左へ一気にロングキック。素早い動き出しでパスを受けたMF東大樹(2年=成立学園高)がドリブルから中央へパスを送り、仲川が冷静に追加点を奪った。駒大は前線でターゲットとなるFW宮城雅史(4年=具志川高)を起点に攻撃を組みたてようとするが、専大のDF鈴木雄也主将(4年=武相高)が空中戦をことごとく制してシャットアウト。思うようなプレーのできない宮城が後半25分に2度目の警告で退場となると、試合はそれまで以上に専大のワンサイドゲームとなった。

　退場劇の直後、専大は長澤のスルーパスを受けた仲川が右足でシュートを決めてハットトリック。その後もミドルシュートなどでどん欲にゴールを狙い、41分に敵陣左で長澤のバックパスを受けたMF下田北斗(3年=大清水高)が追加点をマーク。43分には途中出場コンビが活躍を見せ、FW大西佑亮(4年=鹿島ユース)からバックパスを受けたMF飯田裕之(4年=津工高)が同じように敵陣左からミドルシュートを決めた。その直後にも大西が相手のバックパスをさらってGKをかわし、無人のゴールへ蹴り込んでリードを6点に広げた。

　専大を率いる源平貴久監督は「(2回戦、準々決勝が延長戦となったが)今日は90分で決まって良かった。選手に疲労はあるが、少しずつ慣れて準々決勝よりは動けていた。駒澤大は今年は関東2部だけど、伝統があって勝ち方を知っているチームなので警戒していた。試合の最初はビクビクして見ていたが、CBの鈴木が空中戦をあれだけ勝ってくれるなど対応が上手く行っていたので、先に点を取れば大丈夫だと思った」と試合を振り返り、王手をかけた初出場初優勝に向けて「勝つことが目標だけど、関東1部の首位のチームだという自覚を持って、良い内容を突きつめたい。専修大学らしく、攻撃的で美しいサッカーをしっかりと見せたい」と攻撃サッカーを貫く姿勢を強調した。圧倒的な攻撃力で頂点に上り詰めるか、注目される。

[写真]専修大は後半43分に大西(左)が6点目を奪いゴールラッシュを締めた

(取材・文　平野貴也)

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