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自力で立ち直る強さ、明大は桐横大に逆転勝利で2年連続決勝へ!:総理大臣杯

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[8.12 総理大臣杯準決勝 桐蔭横浜大1-2明治大 ヤンマースタジアム長居]

 第40回総理大臣杯全日本大学トーナメントの準決勝が12日に行われた。第2試合は明治大(関東3)が桐蔭横浜大(関東1)を2-1で下し、2年連続となる決勝行きを手にした。

 決勝戦で敗れた昨年のリベンジを狙う明治大だったが、「これ以上ないくらい気合が入っていた。気持ちが入りすぎちゃって、周りが見ていないというか身体が動いていなかったと思う」と栗田大輔監督が振り返ったように序盤は本領を発揮できずに苦しんだ。

 前半5分にはクリアボールが相手に渡ると、すかさずDF裏へと抜け出したFW今関耕平(4年=千葉U-18)へ繋がれ、先制点を献上。以降も桐蔭横浜のペースは続き、29分には自陣右でのボール奪取から、素早く前方の今関へと展開すると、そのままドリブルでPA右まで持ち込み、ゴールを狙ったがボールは枠の左に逸れてしまう。追加点のチャンスを逃した八城修監督は試合後、「序盤は理想的な展開だったけど、うちはお人よしだったと思うし。序盤に2点目、3点目を獲っていれば、明治の足が止まったり、迷いが出てまた違った展開になったと思う」と悔やんだ。

 対する明治大も徐々に平常心を取り戻し、反撃を開始。活路を見出したのは前線に入ったFW木戸皓貴(3年=東福岡高)とFW丹羽詩温(4年=大阪桐蔭高)の働き。頻繁に前線から中盤に落ちてドリブルで攻撃の起点を作ると、42分にはDF河面旺成(4年=作陽高)が自陣左から前線に入れたパスは桐蔭横浜の守備ブロックに引っかかってしまったが、素早く木戸が回収。そのままPA左まで持ち込み、左足シュートを放ったが、ボールは2度ポストに当たり、桐蔭横浜大にクリアされてしまう。

 後半に入ってからはボランチにMF小野雅史(2年=大宮ユース)を投入し、明治大本来のパスサッカーを取り戻すと、流れは更に加速していく。後半16分には自陣で競り合ったこぼれを丹羽が拾うと、右サイドのMF道渕諒平(4年=仙台ユース)に展開。丹羽が素早くPA右に走り込んでリターンを受けると、ゴール左隅に決めて試合を振り出しに戻した。

 ここからは再び一進一退の攻防となり、19分には桐蔭横浜にチャンスが到来。自陣からDF眞鍋旭輝(1年=大津高)が前線に通した縦パスを機に、テンポ良く相手バイタルエリアを繋ぐと、最後はMF浅沼大地(3年=清水ユース)がゴールを狙ったが、GK服部一輝(4年=札幌大谷高)の正面に。23分には丹羽のシュートが桐蔭横浜DFに当たって明治大が左CKを獲得。ゴール前に入れたクロスはクリアされたものの、木戸がダイレクトボレーをお見舞いすると、鋭い弾道の一撃は真っすぐゴールに向かったがクロスバーに阻まれた。

 決勝行きのチケットを巡る攻防がヒートアップする中、決着がついたのは35分。ミドルゾーンから小野が左前方にスルーパスを入れると、駆け上がったDF河面旺成のクロスが相手に当たり、CKを獲得する。河面がゴール前に蹴り込んだボールをDF鳥海晃司(3年=千葉U-18)が頭で合わせると、最後はMF土居柊太(3年=浜松開誠館高)が押し込み、勝ち越しに成功。この一点を守り切った明治大が勝利し、決勝行きを掴んだ。

 3-0で快勝した準々決勝の大阪体育大戦以外、全て先制されながらも逆転勝利。「選手がタフになってきているし、強くなってきている。上手い下手じゃなく、大会前から追及してきた『戦う』部分をピッチの中で表現してくれている」と栗田監督が表現するように辛勝を積み重ねることによってチームは成長している。

 特に大きな変化が見られるのは精神面。「サッカーはピッチの中で選手がやるスポーツ。今年の選手たちには決断力や責任という言葉を伝えてきたけど、大会に入ってからちょっとずつ相手を感じながら、対応する部分が出てきた」と指揮官は続ける。

「今大会は先制されることが多いけど、チームとして立て直して、勝てている。決勝戦でも先制点を獲ることが大事だけど、予想外のことが起きても自分たちで立ち直って、修正できるように良いゲームをしたい」。そう土居が口にするように日本一がかかった大一番でも、明治らしくしぶとい戦いぶりで勝利のみを目指していく。

(取材・文 森田将義)
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