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[MOM813]順天堂大GK青木心(4年)_PKセーブも勝利まで歓喜せず、責任背負う守護神の吐露

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順天堂大GK青木心(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.22 総理大臣杯2回戦 順天堂大3-3(PK5-4)関西大]

 2回戦屈指の好カードは死闘となった。互いに譲らぬ勝負は、PK戦へ。ここでも両チームのキッカーが確実に成功していくが、関西大の4人目のキックを順天堂大GK青木心(4年=JFAアカデミー)がストップ。このセーブが順大を3回戦へと導いた。

 チームでもよくPKの練習をしているという青木は、「味方がきっちり決めてくれてたので、一本勝負になるなと思ってやってました」と振り返る。PKを止めるとGKはガッツポーズしたり、吼えたりする選手が多いが、青木はストップしても冷静にゴールマウスから退いた。

 理由は関大に与えた3点目。順大・堀池巧監督も「めずらしい」と語った青木のファンブルが原因で、関大にゴールを許してしまった。「自分のせいでPKになってしまったので。まだ勝ったわけでもない。そういう気持ちだった」と話すが、順大の5人目のキッカーFW清水勇貴(2年=柏U-18)がGKに触られながらも、パワーで決めきったあと、チームメイトは青木のもとへと駆け寄り、喜びを爆発させた。

「シュートストップとハイボール」が自分の持ち味とする青木だが、出場機会を得たのは4年生になってから。リーグ戦でチームがなかなか結果を出せない難しい状況が続く中、チャンスをつかみ、総理大臣杯出場権を勝ち取った。

 次はお互い手の内をよく知る駒澤大との対戦となる。前期リーグではけが人が多い状況もあり、0-3と完敗。その試合をベンチから試合を見守っていた青木は、「相手のサッカーがはっきりしているので、徹底して対応していく。こっちの強みである技術やパスで戦いたい」と分析する。

「大学に来て苦しい時期もあったけど、いい同期に恵まれて、ここまできた」と仲間への思いも強い。卒業後もサッカーを続けることを希望しているが、現時点でまだ進路は決まっていない。チームも自身もこの大会で飛躍を遂げられるよう、頂点を目指して戦い抜く。

(取材・文 蟹江恭代)
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