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岩教大の騒動に振り回された鹿屋体育大「これも一つのいい学び」初戦突破に安堵

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鹿屋体育大が初戦を突破

[9.1 総理大臣杯1回戦 北海道教育大岩見沢校0-1鹿屋体育大 松島フットボールセンター]

 一番の“被害者”は鹿屋体育大(九州2)で間違いない。塩川勝行監督は「選手たちが自分たちができる最大限の準備をしてくれて、いいゲームができた」とまずは勝利にホッと胸をなでおろした。

 振り回された一週間になった。北海道教育大岩見沢校(北海道)の欠場の知らせがイレブンに共有されたのは、発表日と同じ8月28日。チームスタッフには3、4日前に知らされていたようだが、不服申立があったこともあり、選手らにはギリギリまで伝えない判断をした。

 当然、イレブンには困惑が広がったようだが、塩川監督は「冷静に受け止めて、とにかく次の試合に向けて準備をしよう」と呼びかけて練習メニューを変更。1回戦がなくなり、初戦となる試合日が2日先に延びたことで、負荷の大きいトレーニングを消化することにしたという。

 しかしまさに青天の霹靂。翌日の8月29日になって日本サッカー協会(JFA)の不服申立委員会が、北海道教育大岩見沢校の不服申立を受理。全日本大学サッカー連盟(JUFA)に同校の総理大臣杯出場を認めるよう指示が出た。

 塩川監督によると、「本来であれば、昨日、今日、明日で徐々に(強度を)落として合わせるところ、上げているところで連絡が来た」という。ただ「これも一つのいい学びになったのかなと思いました」と言葉を飲み込む。

 そして「学生が仕事を一生懸命やってくれている中での出来事。北海道さんがもし出場がダメだった場合、主務の子だったりが嫌な思いをすることだけが嫌だなと思った。そこは試合ができてよかったなと思います」と表情を緩めていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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