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[JFAプレミアカップ2014_MOM]広島ジュニアユースMF仙波大志(3年)_強烈な存在感放った10番

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[中学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.4 JFAプレミアカップ準決勝 広島ジュニアユース0-0(PK4-3)新潟U-15 J-GREEN S1]

 サンフレッチェ広島ジュニアユースの10番MF仙波大志は明らかにゲームを支配していたような時間帯があった。「(自分自身の特長は)あまりボールが取られなくてドリブルがそこそこできるプレーヤーだと思います」というMFは相手のプレッシャーを全く怖れることのないようなボールキープ。DFに厳しく身体をぶつけられて多少バランスを崩しても、相手にボールを触らせず、そしてマークの逆を取ってボールを進めていく。前半11分には同時に寄せてきた相手DF2人を鋭いターンで鮮やかに抜き去り、前進すると右足シュート。12分にもターンでDFを外してFW明比友宏に決定的なラストパスを通した。そして前半28分には絶妙な縦パスをDFラインの背後へ落としてFW三原大幸を独走させる。

 試合を通して広島の10番の足元に入れば、確実にボールは収まっていた。ただ新潟の粘り強い守りの前にスコアは動かず。「ドリブルが得意なので自分で打開しようとした」という仙波は後半、そして延長戦と疲れのある中でも強引に仕掛けて打開。一方でボールを失ってカウンターを招くシーンや、シュートシーンで力み過ぎているような場面もあった。その反省などを活かして決勝へ。「(きょうは)点が取れなかったので悔しかった。(決勝は)全力で走って、走りぬきたいと思います」と誓う。

 準決勝では勝利への執念も見せた。昨年は準決勝で優勝した大宮ジュニアユースに2-3で敗れて3位。沢田謙太郎監督は「実際アイツは去年ここで負けている訳だから。他に誰がやるんだとやってくれましたね」と語っていたが、昨年も先発して悔しい思いをしていたMFは同じピッチで開催された準決勝で躍動し、また昨年からの主力はチームリーダーとしてもチームを鼓舞し、ミスがあればチームメートに対しても厳しい声をぶつけていた。

 そして最近の広島の選手では、現トップチームでU-19日本代表のMF川辺駿にも通じるところのあったゲームで違いを出すようなプレー。指揮官は「駿の場合は自分のアイディアが満載で周りがついていくのが大変という中で、大志は大志らしく伸びていけばいいと思う」と期待を寄せた。 

(取材・文 吉田太郎)

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