beacon

[全日本ユース(U-15)]名古屋がU-16代表・北川の活躍で11年ぶり2度目の優勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.29 全日本ユース(U-15)選手権決勝 京都U-15 0-2 名古屋U-15 国立]

 高円宮杯第22回全日本ユース(U-15)選手権大会の決勝が29日に東京・国立競技場で行われ、京都サンガF.C.U-15と名古屋グランパスU-15が激突した。前半は0-0で折り返したが、後半は個人技で勝る名古屋が試合を支配し、U-16日本代表FW北川柊斗(3年)の1ゴール1アシストの活躍などで2-0勝利。名古屋が1999年の第11回大会以来、11年ぶり2度目の“冬の王者”に輝いた。京都は初優勝を逃した。

 京都は4-5-1を採用。GKは上田智輝(3年)、DFラインは右から林大樹(2年)、松川宏二(3年)、平山悠大(2年)、石岡巧丞(2年)。ダブルボランチは清水航輔(3年)と三浦一星(3年)で、2列目は右から瀬戸口大智(3年)、樋口総(3年)、奥川雅也(2年)が入った。1トップは岩元颯オリビエ(2年)が務めた。

 対する名古屋は4-4-2を採用。GKは板倉徹汰(3年)、DFラインは右から若園敦貴(3年)、中島康輔(3年)、後藤弘樹(3年)、松田翔平(3年)。ダブルボランチは石川大貴(3年)と金来遠(3年)、右MFは桜井昴(2年)、左MFは伊藤昌記(3年)が入った。2トップはU-16日本代表の北川柊斗(3年)と森勇人(3年)が組んだ。

 立ち上がり、京都は中盤をコンパクトにし奪ってから速く攻めるカウンターで、名古屋はダブルボランチの展開力を活かして、伊藤や北川が仕掛けるという試合運びを見せた。名古屋がボールを支配する展開となったが、最初にチャンスを得たのは京都だった。前半5分の左からのCKで、クロスバーへの跳ね返りに樋口が反応。頭で押し込もうとしたが、不運にもクロスバーに当ててしまい、先制を逃した。

 名古屋はボールをつなぐが、コンパクトな陣形を保った京都の“網”に引っかかってしまう。そして前半8分、京都が再びセットプレーで好機を迎えた。左からのCKに平山が飛び込みヘディングシュート。しかしこれは、ジャストミートせず右に外した。

 その後、細かいパスをつなぐ名古屋が徐々に攻略の糸口をつかんだ。前半15分、長いパスに左サイドで北川が抜け出してドリブルで仕掛け、中へグラウンダークロス。これがうまく通り石川がシュート。GK上田に弾かれたが、こぼれ球を再び石川が押し込みゴールネットを揺らした。しかし不運にもこれは味方選手のオフサイドでノーゴールとなった。

 その後はお互いにややスローダウン。京都はカウンターで、名古屋は中盤を作ってのサイド攻撃、そして北川や桜井、伊藤の突破を頼りに攻め込むが、ともにバイタルエリアを崩すには至らない。40分ハーフの前半は0-0のまま折り返した。

 後半も名古屋がボールをつなぐ時間が多かった。そして早い時間に先制点を奪った。後半5分、パスとドリブルでゴール前へ攻め込み、最後は森が巧みなドリブルでPA内正面を割ってシュート。これは相手DFに当たって流れたが、こぼれ球を北川柊斗が押し込んでゴールネットを揺らした。

 何とか打開を図りたい京都は後半17分、岩元に代えてMF杉田新(3年)を投入。杉田は右MFに入り、スピードが売りの瀬戸口がFWに回った。名古屋は後半19分、若園が右サイドをオーバーラップしてクロス。金が右足を合わせてシュートを放ったが、GK上田がセーブした。

 個人技で勝る名古屋に、京都はスピードと運動量で打開を狙う。縦パスに樋口や奥川が走りボールに食らいつく。しかし、なかなかゴールを割るには至らない。後半30分、京都は石岡に代えてMF大西勇輝(2年)を送り出した。

 名古屋は後半32分、北川がPA内右を突進し、切り返しでDFを交わしてシュート。しかしこれは決め切れなかった。さらに同36分、北川は左サイドを抜け出してドリブル突進。切れ込んで右足を振り抜いたが、大きく上に外した。

 京都は後半37分、三浦に代えて181cmの長身FW谷太貴(3年)を投入。パワープレーの作戦に出た。ハイボールを蹴り込み、ゴールを脅かす。そんな中、後半ロスタイム突入直後、名古屋は金に代えてDF赤塚竜馬(2年)を送り出したが、これが功を奏した。ロスタイムも3分目に入ったころ、右サイドを北川がドリブルで仕掛けて中へ丁寧なグラウンダーパス。これを詰めていた赤塚が右足で流し込み2-0と突き放した。直後に長い笛が鳴り、名古屋の11年ぶりの優勝が決まった。

(取材・文 近藤安弘)

TOP