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[JFAプレミアカップ予選]終了間際に古谷V弾!「強い」大宮ジュニアユースが関東代表として全国へ

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[2.19 JFAプレミアカップ関東代表決定戦 柏U-15 0-1 大宮ジュニアユース 柏総合G]

 春の中学世代日本一を争うJFAプレミアカップ2012の関東代表決定戦が19日、柏で開催され、昨年12月の高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権準優勝の柏レイソルU-15と同8強の大宮アルディージャジュニアユースが激突。試合終了間際にCB古谷優気主将(2年)が決めた右足ミドルによって大宮が1-0で勝ち、世界大会へつながる予定の全国大会出場権を獲得した。

 大宮がハイレベルなパスサッカーを披露。攻守で強さを発揮して全国切符を獲得した。大宮は立ち上がり、前線からの厳しいプレッシャーで柏との主導権争いを制すると、怒涛のポゼッションサッカーを展開。中でも抜きん出た技術と攻撃センスでチームをけん引する10番MF黒川淳史(2年)、相手の守りにできたギャップを正確なパスで射抜いたFW川田拳登、フィジカルの強さを活かして突破口にもなった左FW立石爽志(全て2年)らが徹底的にボールを繋いで柏守備陣に穴を開ける。

 10分には左中間から黒川の絶妙なスルーパスで抜け出した立石が決定的な左足シュート。13分には再び黒川の出した絶妙なスルーパスから、川田がクロスバー直撃のシュートを放った。絶妙なポジショニングと正確なパスワーク。伊藤彰監督が「前半の追い込み方で(柏に)いつもと違うゾという印象を与えられた」と語ったように、相手に良いところを出させず、大宮は好守と攻撃の正確性で優位に立つことに成功した。

 対する柏のチャンスはカウンター攻撃が中心。11分には敵陣PAでインターセプトした10番FW伊藤達哉(2年)が決定的な右足シュート。だがこれを大宮の古谷にクリアされると、23分にも再びカウンターからチャンスを迎えたが、FW小川晃大(2年)の右足シュートはゴール上方へ外れた。ポゼッションで劣勢だった柏だが、サイドの高い位置で起点をつくり、ダイナゴラルランでディフェンスラインの背後を取りに来る攻撃は脅威。また、少しでも大宮のプレスが遅ければ、相手の守備を剥がしてゴール前までボールを持ち込んだ。

 それでも大宮は主導権を放さない。後半も黒川とのワンツーから立石の放った決定的な一撃や、川田のループパスに決定的な形で反応したMF高柳拓弥(2年)の右足ボレーなど、正確な技術にアイディアを交えて攻める大宮が押し込む。柏は相手のミスを逃さずにビッグチャンスへつなげたが、後半33分に相手CBのバックパスをカットしたFW白川恵士朗(2年)のシュートは大宮GK加藤有輝(2年)に阻まれて得点することができなかった。

 試合に決着をつけたのは元アタッカーのCB古谷だ。延長戦突入目前の後半39分、この日何度か見せていた強引なドリブル突破同様に攻撃参加すると、右中間から強烈な右足ミドル。DFに当たってコースの変わった一撃はそのままゴール左隅へと吸い込まれた。川田が「とにかく勝って全国へ、と思っていた。古谷のゴールが決まったときは鳥肌が立った」という千金弾。殊勲の古谷は「(パスミスで)一番危ないミスをしたのも自分。決めたのも自分で(微笑)。どうしても勝ちたかった。(ゴールはDFに当たって)たまたま入って。うれしかったです」。

 ベスト4に進出した07年以来5年ぶりの全国。目標は例年JFAプレミアカップ優勝チームが参加している世界大会、マンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップ・ワールド・ファイナルズ(イギリス・マンチェスター)の出場切符だ。指揮官は「目標の全国出場。タレントもいるし、チームとしてもタイトルを狙いにいきます」。そして黒川は「しっかりと準備して、全国優勝してマンチェスターへ行きたい」と世界進出を目標に掲げた。

(取材・文 吉田太郎) 

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